ep2.三馬鹿の就職《1》 ページ3
10月1日。
すばるは仕事に復帰した。
「社長、ホンマに…期待に答えられず申し訳ありません。これからは！きちんと働きますんで」
新工場の責任者の話は当然のごとく、無くなった。
それでも、会社に残れたのには理由がある。
それは彼らが10代のチョンｯチョンｯに尖っていた頃の話━━━━━━━━━━━━
居酒屋でバイトしていたすばるは、白いタオルを頭に巻いて、長い髪をまとめていた。
「いらっしゃいませ〜禁煙席でええです？」
やってきた自分と変わらないほどの年齢のソイツらに尋ねた。
「いや、喫煙で」
お前ら未成年やろ。
そう思いながら、すばるは個室の喫煙席に案内する。
「5番席3名様入りまーす！」
男1人と女2人。
やたら、ベタベタしている女どもの肌の露出はえげつない。
すばるは声高々にキッチンに告げた。
「ニヤケてんで。てゆうか、禁煙席やなくてええんか？」
「あの男、金持ってる。もし未成年やったら脅して金もらおうや」
信五は悪い顔したすばるに同意した。
フライパンを振りながら、汗を流していた。
信五には奨学金を返すために、すばるにはハルの治療費を出すために、働かなければならない理由があった。
お店の賑わいも落ち着いてきていた頃、真っ赤な顔した男が、またすばるにキツネの酒をたのんだ。
「お客さんら、未成年やろ。タバコ臭いし…うちじゃ責任取れへんので、そろそろ帰ってもらえます？」
今ほど喫煙も酒も厳しくなかった時代とはいえ、店長にバレるとすばるにも責任問題だ。
「分かったわかった、ほんならここのキツネの酒、出荷停止にさせてもらうわ。俺の親父、狐田社長だからな。なー？」
ねーっと女どもが甘ったるい声を出した。
「……ねぇちゃん。俺とソイツどっちがええ？俺と遊ぶやろ？」
すばるは、男に聞こえるように大声でその1人に告げる。
「ほんなら、もう一人のねぇちゃんは俺とやな？どうや、このあと一発？お？」
「…しゃーないなぁ。ほんなら、今日のお金、ちょーだい」
信五の腕を掴んだもう一人は、男に手を差し出した。
「お前らっ…金がほしいんやろ！分かったわ、出せばええんやな！」
札束をおいて、男は出て行こうとする。
「…ほんなら、鍵。自分で帰りや〜私、知らんからねぇ」
すばるに抱きついた女は男にキーを投げた。
男はすばるを睨んで店のドアを開けた。
「まいどあり〜」
すばるはニヤけながら、札束を数えつつ、両腕に女の天国だ。
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light(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!少し長くなってしまいましたが、そう言ってもらって嬉しいです！2章もよろしくお願いします(*^^*) (2017年9月23日 11時) (
レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 「あ」何度も何度も読み返しています。何度も読んでもよいです！ (2017年9月22日 20時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» お気遣いありがとうございます!まずは今のお話を完結させますので、お楽しみにしていてくださいね! (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - 奏空さん» お久しぶりです(｡>艸<)ありがとうございます！了解しました〜知識が無いので難しいですが、頑張ります。お待ちくださいね (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 早速ありがとうございます。続きを楽しみに待ちます！そして、今回のお話が終わったら他の方のリスエストへ移っても大丈夫なのです！どのお話も楽しみにしています！ (2017年9月15日 1時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年7月9日 17時
