38.【粕汁】 ページ38
突然、頭が冴えた。
「俺、やばい？やばない？え…？」
いつの間に家のリビングのソファーに座っていたんだろう。亮はキョロキョロとあたりを見回した。
「あ、戻ってきた？粕汁飲む？」
隆平の声がする。他には誰もいない。
「え、あ、おん…え、ちょ、皆は？」
「信ちゃんは病院、すばるくんと裕ちんは二人でどっか行ってもうたけど…すぐ帰ってくるんちゃう？」
訳もわからず出てきた粕汁と温かいご飯たちに手をつける亮は、必死に記憶をたどる。
「ゆ、裕くんっ…怒ってへん？」
「あぁ…ごめんなぁ、亮ちゃん」
隆平は亮の分しかよそわず、そのまま向かいに座る隆平は心無しか、亮には少しだけ大人びて見えた。
「たつ、忠義は！？」
「ごめんな」
「え、何やねん、さっきから何謝ってんねん」
「俺、長男だから。裕ちんの息子だから」
亮が粕汁を飲むと唇が染みた。誰かに貼られた記憶のない絆創膏が外れそうになる。
「兄貴、聞いたの？すばるくんたち、やっと話す気になったん？」
亮は自分の質問に間をあける隆平に、ゴクンと水を飲む。
「…何の話しやねん、さっきから〜…ほ、ほら、はよ食べや、質問ばっかしとらんと〜」
隆平に嘘はつけない。少し俯き加減になっていく彼に、亮は気付いていた。
「もう俺たち、知ってる。とっくの昔に」
え？と俯いていた顔を上げる隆平の露骨な反応に、亮は少し笑う。
「そっかそっか、聞いたんや。何や〜必死に内緒にしといたのにな〜」
ウマッ。亮はそれだけ呟いて、何も話さない。
「しょっ…ちゃん…も…知ってるの？」
隆平の手は少し震えていて、頭は《俺たち》の意味を理解してくれなかった。
めっちゃウマイやん！亮は平然と食べ続けた。
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light(プロフ) - 奏空さん» 初めまして(^^)本当に少しずつですが、全貌が明らかになってきます！読み返すと繋がっていたりするはずなので、また来てくださいね。ありがとうございます！ (2017年3月20日 8時) (
レス) id: 23f6197312 (このIDを非表示/違反報告)
奏空(プロフ) - 初めまして。話に一気に引き込まれ更新を楽しみに、いつも読ませていただいてます!! 少しずつ登場人物の背景が見え始め、ますます続きが気になってます(＞＜) 大変だとは思いますが、頑張って下さい ！ (2017年3月20日 0時) (レス) id: 90bfce9f42 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - パンジーさん» こんばんは(^^)コメントありがとうございます！引き続き更新頑張ります。応援よろしくお願いします！ (2017年3月19日 23時) (レス) id: 23f6197312 (このIDを非表示/違反報告)
パンジー(プロフ) - とても面白いです。今のままで大丈夫だと思いますよ。 (2017年3月19日 21時) (レス) id: 700a76e6c1 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - 章々さん» こんばんは(*^^*)コメントありがとうございます！嬉しいお言葉！ズルズルとハマっちゃって下さい（笑）頑張ります。 (2017年3月16日 23時) (レス) id: 23f6197312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年3月12日 10時
