27.【日常】 ページ27
ふと嫌な予感がする。
双子は別に血が繋っているわけではないのによく共存し合う。
それが良い方向に進むことのほうがもちろん多いが、すばるは、悪い知らせだと思った。
「…思春期の息子が反抗期なだけや。何で俺、そない信用ないねん。もう大丈夫や」
電話を切って呆然としていたすばるは、突如開かれた扉と、亮の声に目を泳がせた。
亮の目が赤いことには誰も触れなかった。
「ごめんごめん、寝てもうてた」
けれどもそう言って、定位置に座った亮は笑いながら、ウマそうだなんて言う。
すばるも人より少ないきのこを他の皿へとうつしていく。その箸さえ使わないすばるは、新しいものをまた取り出した。
「もう俺がせっかくきのこ避けて盛りつけてんねんから、ちゃんと食べ！」
忠義は食べ物のことに関しては厳しい。だけど、すばるもきのこは譲れない。
「はいはい、合掌！」
見兼ねた裕の合図で食事が始まる。すばるも気まずそうにではあるが、亮の横に座った。
章大は珍しく、食事中の口数が少なかった。
「ごちそうさ〜ん。食べれるか？無理せんと、ゆっくり食べや」
基本的に章大の箸が進むのは女子並み。
いや、女子より遅いので、1人取り残されて食べることも多い。すばるはそう言って、5番目に席を立つ。
「りょお…」
章大のペースに合わせて最後の1口を食べるか食べまいか迷っていた頃、自分の名前を呼ばれたので、亮は黙って頷いて皿を交換した。
「最後1口だけ食べとき。皿洗いは俺がするから先に風呂入りや」
「だいじょーぶ。俺にも働かせてや」
亮はもう何も答えずに、ガーッと章大の残したパスタを食した。
章大が甘え上手で、多少無理はしてもしすぎることは無いことを前提で、本人がしたいと言ったことはさせるのが、この家での暗黙の了解である。
今日もそうだと思っていたから。
「え、裕ちん風呂は！？」
「あー！栓してへんまんまボタン押してもうた！」
真っ裸の隆平の声を機に裕への罵声が一家に響くこともごくごくよくある日常の１コマだったから。
笑いながらテレビを見ている信五も、亮に怒られている裕も。
「ごちそうさまでした。たつ、ごめんね、あんまり食べられへんくて」
「いやいや、盛り付け多かったかな、ごめんごめん」
「ううん、美味しかった。ありがとう」
忠義もまた、章大の言葉を大して気に止めなかった。
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light(プロフ) - 奏空さん» 初めまして(^^)本当に少しずつですが、全貌が明らかになってきます！読み返すと繋がっていたりするはずなので、また来てくださいね。ありがとうございます！ (2017年3月20日 8時) (
レス) id: 23f6197312 (このIDを非表示/違反報告)
奏空(プロフ) - 初めまして。話に一気に引き込まれ更新を楽しみに、いつも読ませていただいてます!! 少しずつ登場人物の背景が見え始め、ますます続きが気になってます(＞＜) 大変だとは思いますが、頑張って下さい ！ (2017年3月20日 0時) (レス) id: 90bfce9f42 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - パンジーさん» こんばんは(^^)コメントありがとうございます！引き続き更新頑張ります。応援よろしくお願いします！ (2017年3月19日 23時) (レス) id: 23f6197312 (このIDを非表示/違反報告)
パンジー(プロフ) - とても面白いです。今のままで大丈夫だと思いますよ。 (2017年3月19日 21時) (レス) id: 700a76e6c1 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - 章々さん» こんばんは(*^^*)コメントありがとうございます！嬉しいお言葉！ズルズルとハマっちゃって下さい（笑）頑張ります。 (2017年3月16日 23時) (レス) id: 23f6197312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年3月12日 10時
