《5》 ページ25
｢っ、亮ちゃん！｣
久々に顔を合わせた彼は、別人のようだ。
こちらを振り返ることなく、ガラスの向こうの章大を眺めている。
｢…………亮やから。
でも少し、鬱状態って言うて、いつもとちゃうかも知らんけど、平気やからな。｣
すばるがそう言うものの、忠義にはまだ難しいようで、首を傾げる。
困り顔のすばるに賢い隆平は、いい？と尋ね、亮の横に行き、手を繋いでやる。
忠義が恐る恐るガラスの向こうを除けば、汗だくの潤が看護師に何かを指示し、心臓マッサージをしている。
｢頑張れ。頑張れよっ！頼むからっ｣
廊下のソファーに座ってギュッと両手を重ねて、握り締めている信五。
忠義もその横に座って、ただただ拳を握り締めて膝の上に置く。
｢……神様まで章ちゃん見捨てんといて……｣
章大はしばらく、落ち着いては発作を繰り返した。
｢……んー｣
別室を用意してもらったのに、すばるにベッタリくっついて眠れない亮。
頭が痛いのか時々こめかみを押さえる。
｢…亮、学校で嫌なこと言われたんちゃうか？｣
｢りょー、……っ、んー、｣
ゆーっくりと信五が問うと、ポロポロと泣き出して、亮は顔をすばるの胸に埋めた。
｢そっ、か、ん。分かった。
もう言わんでいいからな。
亮、頑張ったんやな。偉いな｣
すばるはゆっくりとトントン亮の背中を叩いた。
｢章大、起きたで｣
裕は3人のその姿に泣きそうになったことを悟られないように、両手に隆平と忠義をしっかりと掴んで。
｢亮ちゃん？……章大に泣き顔見せるんか？｣
すばるに答えようと、一生懸命立ち上がった亮。
章大は笑って出迎える。
｢はぁっ……っ、りょー、あいたかったよ｣
が。
｢こん ど阿呆ぉ！
具合い悪いならさっさと言うてこい言うとるやろ！｣
すばるの怒号に誰も何も言えず。
｢まぁまぁ、すばるぅ？♡今回は許したろ？｣
なーんて言えるのは、もはや隆平の狂人メンタルだけ。
知らぬが仏。
Fin
――――――――――――
リクエストありがとうございました(*^^*)
んー、自然とやっぱり彼がそこに居るんだよな〜
なんてね。
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では、また時が来れば。
2019/02/08
light
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light(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» いつもリクエストありがとうございます！励みになります。次回もまたよろしくお願いします^^ (2019年6月10日 12時) (
レス) id: e738b598a3 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - 今回の更新も期待通りの作品でした。毎回lightさんの更新楽しみです。 (2019年6月10日 11時) (レス) id: e94c7fe551 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - 更新楽しみにしてます。 (2019年3月31日 15時) (レス) id: b681088b76 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» お返事がハチャメチャ遅くなってすみません(><)コメントありがとうございます！ｺﾄﾞｳﾉｵﾄらしく終われたかなと思います！またの更新お待ちください！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: e738b598a3 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - せつないお話しありがとうございました。涙しながらも、最後章ちゃんの手紙の内容を覚えてないというおちにほっこりしました。次回の更新も楽しみにしてます。 (2019年3月20日 0時) (レス) id: e94c7fe551 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2018年5月20日 9時
