《4》 ページ24
次の日の朝、このクソ忙しい時間に誰や！とエプロン姿の信五があいあい！とインターホンを覗く。
ハッと気が付いた信五は慌てて玄関を開ける。
｢おはよう。どないしたん！みんな揃って……｣
信五は中を伺う様子の彼女たちにそう聞く。
｢章大、具合い悪いんじゃないかと思って｣
そう。あの三人衆だ。
倉子が斜め下を向くので、ツインテールが揺れた。
｢そうやねん……
もしかして、迎えきてくれたん？
今朝はちょっとまだ動かれへんねん…｣
3人は顔を見合わせる。
｢…最近、男子たちが_______________｣
ポツポツと話出したすば子。
信五はその場で動けなくなった。
｢と、とにかく、遅刻するからっ。
ごめんな、今日は休ませるわ。ありがとう｣
震えた声で、3人に学校へ向かうように言う。
自分も仕事だ。しかし、今日は有給を貰おう。
家の中に入り、しばらくリビングで動けなかった。
なんでもっと早く気付かなかった？
ピンクオレンジ赤のランドセルを揺らし、歩いていく3人を眺める忠義。
忘れ物に気付き、家に戻ってきていたのだ。
当然、物を部屋に取りに行けば信五に会ってしまう。
このどうしようもない怒りを、グッと拳に握り締めて、そのまま、3人を追いかけた。
｢っ！待って!!……はぁっ…………っ、｣
｢忠義くん？どうしたん？｣
丸子が息を切らした忠義に驚いて振り返る。
｢なんでっ!?……っ、なんでっ！
なんで章ちゃんのこと助けてくれへんねん！
ハァハァっ、あんたら、そばで見てたんやろ！
見てただけなんやろ！？｣
｢落ち着きなさいよっ｣
倉子が怪訝な顔。
｢私たちが何かをしたとして、彼は私たちを庇うのよ。
最終的には、そうやって興奮するのは誰？｣
すば子の言葉に何も言えなくなった忠義。
章大を守る。
それを決めたのは、果たしていつだったか。
授業どころではなかった。
一限が始まってすぐ、隆平が忠義の教室にやってくる。
｢すみません！村上忠義、早退します！｣
｢え、ちょっと！｣
カバンに開いていた教科書を詰められ、無理やり持たされて、手を引かれる。
｢章ちゃんが発作起こして病院運ばれた！
大きいみたいやから、タクシーで速攻来いって！｣
廊下の階段を駆け下りながら、自分の心臓もドクンッと鳴る。
あの節約家の信五がタクシーを許可した。
車で急ぐことを誰より嫌う彼が。
｢運転手さん、ぶっ飛ばしてください！｣
隆平にそんなことを言わせるなんて。
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light(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» いつもリクエストありがとうございます！励みになります。次回もまたよろしくお願いします^^ (2019年6月10日 12時) (
レス) id: e738b598a3 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - 今回の更新も期待通りの作品でした。毎回lightさんの更新楽しみです。 (2019年6月10日 11時) (レス) id: e94c7fe551 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - 更新楽しみにしてます。 (2019年3月31日 15時) (レス) id: b681088b76 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» お返事がハチャメチャ遅くなってすみません(><)コメントありがとうございます！ｺﾄﾞｳﾉｵﾄらしく終われたかなと思います！またの更新お待ちください！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: e738b598a3 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - せつないお話しありがとうございました。涙しながらも、最後章ちゃんの手紙の内容を覚えてないというおちにほっこりしました。次回の更新も楽しみにしてます。 (2019年3月20日 0時) (レス) id: e94c7fe551 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2018年5月20日 9時
