《3》 ページ23
｢.......なんか、隠し事しとるんちゃう｣
｢隠し事ってなんやねん｣
すばるの怪訝な顔に、信五は、んーと頭の後ろを掻く。
｢なんつーか、とにかく元気無いねん。
体が悪いとかよりも、精神的なもんかなぁ｣
裕もいつもとは違う章大の様子を、神妙な面持ちですばるに伝える。
しかし、数日経っても、章大から何かを言ってくるわけでもなく、亮は入院先でパニックが続くなど家の中もゴタゴタ。
3人のアタフタした様子に、隆平だって忠義だって、3人に今日の出来事を話せるような感じもない。
｢章ちゃん、量少なくしといたのに、全然食べてへんやん。大丈夫？｣
忠義が怪訝な顔で隣に座る。
｢兄ちゃん食べよか？｣
するとふざけて隆平がやってくる。
｢兄貴ヅラすんな(笑)｣
忠義が突っ込むけど、章大は俯いて、小さく
｢ごめん｣
それだけ言った。
立ち上がってそこから逃げようとする。
そのすぐあとのこと。
｢っ！はぁっ……んっ｣
章大がガクン、と膝を折ってしゃがみ込む。
｢｢章ちゃん！｣｣
2人が叫んで、同時に駆け寄る。
｢俺、信ちゃん呼んでくる！｣
丁度、信五は今頃、脱衣所で洗濯中だ。
忠義が駆け出そうとすると、足をガッと掴まれて、転けそうになる。
｢あかっ、……はぁっ、大丈、夫やから
いったら、あかん……ハァハァ｣
振り返れば息も絶え絶えの章大が一生懸命首を横に振っている。
｢リョーくんが……戻ってきたら終わるから｣
そう言って、ゆっくりと立ち上がる。
｢ちょっ！危ないって｣
隆平がふらつく体を支えながら、リビングを後にする。
階段はさすがに手前でまたしゃがみ込むので、おぶって双子部屋に連れていき、ベッドに寝かせるとスグに寝息を立てる章大。
｢……終わるって何がよ……？｣
ドアに立つ忠義が泣きそうな顔で、隆平の背中に問う。
しかし、隆平が振り返ることは無く、ずっと章大の手を握っていた。
｢……発作でも起こしたんか？｣
章大のベッドに伏せて、寝ていた隆平を見て、すばると夜遅くなって帰ってきた裕が信五に尋ねた。
｢たつ曰く、発作ではなかったみたいやけど、体調は悪かったみたいやな｣
信五は、学校に持って行った薬の数を確認する。
すばるは、心配顔で寝ている章大の手首を持つ。
心拍数はいつもより早い。
｢……おい、隆平。邪魔やっ！起きろシバくぞ｣
｢は、はい！……？
すばるぅー♡おかえり♡｣
｢おま、俺には！？｣
すばるに抱きつく隆平に裕は口を尖らせた。
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light(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» いつもリクエストありがとうございます！励みになります。次回もまたよろしくお願いします^^ (2019年6月10日 12時) (
レス) id: e738b598a3 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - 今回の更新も期待通りの作品でした。毎回lightさんの更新楽しみです。 (2019年6月10日 11時) (レス) id: e94c7fe551 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - 更新楽しみにしてます。 (2019年3月31日 15時) (レス) id: b681088b76 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» お返事がハチャメチャ遅くなってすみません(><)コメントありがとうございます！ｺﾄﾞｳﾉｵﾄらしく終われたかなと思います！またの更新お待ちください！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: e738b598a3 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - せつないお話しありがとうございました。涙しながらも、最後章ちゃんの手紙の内容を覚えてないというおちにほっこりしました。次回の更新も楽しみにしてます。 (2019年3月20日 0時) (レス) id: e94c7fe551 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2018年5月20日 9時
