《5》 ページ17
「……しんどいないもん」
章大は慣れた手つきで、点滴を引っこ抜く。
「っ、んぅ、章大お兄ちゃんなったやもん」
お誕生日を迎え、亮と歳が離れた章大は、そのせいで血が出ても泣かない(涙目)
いつも看護師さんがしてくれるみたいに、カーディガンを出して、ベッドの柵に腰掛ける。
自らしょーた。と書いたスリッパを履いて、カーディガンを着て、立ち上がり、いつものリュックを探す。
「……なーいっ……もぅっ」
ぷんぷんしながら辺りを見回すと、紙袋を見つけた。
小学校の先生が買ってきたくれた誕生日プレゼントだ。
中身のデッサンセットを取り出して、引き出しにしまう。
代わりに必要なものを取り出す。
「おくすり と おみじゅ と おさいふ……と……ハァ、ハァ」
いちいち�爐��瓩鯢佞韻覆�ら、
次にケータイを手に取った時、少し息苦しくなって、もう一度引き出しに置いた。
その時。
_______________ｺﾝｺﾝ
病室のドアは叩かれ、「章大くん、元気かなー？」と小声の昨日の看護師が、夜勤明けの最後にと顔を出しに来た。
章大はとっさに、隣の優希くんのベッドカーテンに隠れた。
寝ている優希くん。
そのまま、章大は優希くんの布団の中に潜り込んだ。
優希くんは目が覚めて、ビックリした顔だけど章大はお構い無し。
「あれ、いないっ？章ちゃん？おかしいな」
看護師は周囲を探し始める。
「……リュックもケータイも置いていってるから自分でどこかに行こうとしたわけじゃなさそうだけど……」
ドクンドクン……ドクンドクンと、章大は自分の心拍が上がるのがわかって、紙袋を抱きしめる。
そのガサゴソした音とともに
「ﾊｧｯっ、んっ……ｹﾎｯ」
思わず章大の息遣いが病室に大きく響く。
「優希くん？」
カーテンを開けられそうになったその時。
「看護師さんっ！
……ボク、苦しいっ……ハァ、」
優希は起き上がって、ベッドから降りた。
看護師の元に倒れ込むように、カーテンから顔を出す。
「優希くんっ！大丈夫？」
章大はベッドの反対からカーテンの外へ。
看護師は優希くんをベッドに戻そうとてんやわんやで気付かない。
「っ、んっ、」
看護師に抱かれた優希くんが、静かにでも、少し息を吐きながら、病室を出ていこうとする章大にウインクした。
章大のために仮病を使ってくれたのだ。
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light(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» いつもリクエストありがとうございます！励みになります。次回もまたよろしくお願いします^^ (2019年6月10日 12時) (
レス) id: e738b598a3 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - 今回の更新も期待通りの作品でした。毎回lightさんの更新楽しみです。 (2019年6月10日 11時) (レス) id: e94c7fe551 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - 更新楽しみにしてます。 (2019年3月31日 15時) (レス) id: b681088b76 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» お返事がハチャメチャ遅くなってすみません(><)コメントありがとうございます！ｺﾄﾞｳﾉｵﾄらしく終われたかなと思います！またの更新お待ちください！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: e738b598a3 (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - せつないお話しありがとうございました。涙しながらも、最後章ちゃんの手紙の内容を覚えてないというおちにほっこりしました。次回の更新も楽しみにしてます。 (2019年3月20日 0時) (レス) id: e94c7fe551 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2018年5月20日 9時
