【文スト】私のお兄ちゃん《芥川龍之介 》

３３話 ページ39

『おはようございます』

教室に入り、元気良く挨拶をする。元気じゃないじゃんと思われるが、私にとっては元気な挨拶だ。

自分の席迄、歩くと「昨日、何かあったの？大丈夫だった？」と遊宇ちゃんが聞いてきた。

隣には涼ちゃんが来た。涼ちゃんも先刻来たばかりらしい。

『昨日は御免ね。大した事じゃなかったけど、お姉ちゃんとお兄ちゃんが帰って来たの。
あの時間を失いたく無かったから…』

______そうだったんだ。でも、帰ってきて良かったね。

と云ってくれる遊宇ちゃんは優しいなと思う。

鞄を机に置き、椅子に座った。

『そう云えばね、お姉ちゃんと一緒にご飯を作ったんだけど、美味しくなかったの…お姉ちゃんは料理上手なのに』

「そうなんだ」

「へぇ…」

余り興味無さそう。

______本当にお姉ちゃんは料理上手なんだからね！

と云えば、「はいはい。」とホント興味無さそうで、酷い返事だなと思った。

「あ、A

ちょっと聞きにくい事なんだけど」

と涼ちゃんが云った。

『ん？如何した』

と聞けば

「朝、Aが学校に向かって歩いてるのを見かけたんだけどさ、

その時、一人で喋っている様に見たんだ。

あの時、誰と話してたんだ？誰もいない様に見えたけど…」

『え………？』

何云ってるんだろう…涼ちゃんは。

ちゃんと見れなかったのかな？

お姉ちゃんの事。あんな美人な人が居たら普通、気付くよね？





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