◆辻新之助【唇】 ページ8
【チョコレートワルツにほろ苦さ】
好きな女子から告白と同時にチョコレートを渡された。砂糖みたいに白い肌を薔薇色に染めて、少し上擦った声でややうつ向きがちに。
押し付けるようにチョコレートを渡すと、返事も聞かずに去って行ってしまった。どうすれば良いだろう。既に頭がいっぱいで。
「……っ、はぁああ」
真っ赤になった顔を片手で覆い、しゃがんでしまった。何なんだろう、あんなに可愛いのは反則じゃないか。恋してるみたいな。
「かわい、かったな……」
誰もいない教室で呟く。高嶺の花の彼女。自分のことを好きでいてくれるなんて、思わなかった。女子には挙動不審な自分を。
学校指定のバッグに震える手でそっと入れて、持ち直す。今日が非番で本当に良かった。こんな顔で行ったら絶対に笑われる。
そして帰ろうとした時、熟れた林檎のような顔の彼女が閉められたドアを開けて再び教室に戻ってきた。それはもう、驚愕である。
「A、さんっ!?」
『あ、あのね』
目を游がせてから、拳をぎゅっと握り締めて瞳を瞑る。睫毛が長いな、とか肌綺麗だな、とかどうでも良いことばかり溢れてきて。
『返事を貰ってないから、そのください』
「………っーーー!!」
少しおさまったはずの熱が、ぶわあっと押し寄せてきて。それから数回、深呼吸。彼女に負けないぐらいに気合いを入れてから。
「俺も」
『……え』
「お、俺もAさんが好きです!!付き合ってください!!」
瞳に涙を溜めて、嬉しそうに微笑んで。口元をやんわりと手のひらで覆うA。可愛くって、好きっていう気持ちが止まらない。
『ありがとうっ……!!』
ぎゅっと抱き締められた。あ、ヤバイ。めっちゃいい香り。百合とか鈴蘭みたいな、純潔っぽい彼女の纏う雰囲気そのものの香り。
抱き締め返すことしかできなくて。何か、自分らしくないけど。それもいいかもなんて。綺麗な色彩と目が合った瞬間に。噛み付くように。
桜色の唇に口付けた＿＿＿＿＿＿＿。
(遥ちゃあああん!!)
(Aちゃん!!どうだった!!)
(つ、つつつ辻君にキス、された……!!)
(……えっ!!)
(王子隊の皆に報告しなきゃ、だよね)
(そうだね、王子隊の万能手だもんね)
(どうしよ、キスしちゃった)
(顔、真っ赤)
(もう俺、死んでもいい……)
【唇=愛情】
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きざみん - こんばんはセニオリスさんの小説好きです。失礼ですけど空閑君って書けますか？書けたらよろしくお願いします。キスの場所はどこでも良いので、出来たらよろしくお願いします。 (2023年2月22日 21時) (
レス) id: 4cee241057 (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - イツキ108さん» 此方こそ、返信が遅れて申し訳ないです。あまり期待に応えられていない文章になってしまってすいません。リクエスト有難う御座いました。 (2020年5月18日 22時) (レス) id: 353512f049 (このIDを非表示/違反報告)
イツキ108(プロフ) - セニオリスさん» こんばんは。以前文ストの花言葉のリクエストをさせて頂きました、イツキです。お礼をリクエストさせて頂いたページにと思ったのですが、コメントが出来ず他ジャンルでのページの返信になりご迷惑をおかけします。リクエストのお礼が後れた事、大変申し訳ありません。 (2020年5月7日 19時) (レス) id: ed04064b47 (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - 白縋さん» 了解しました。書ける時に好きなタイミングで書かせていただきます。 (2020年2月24日 11時) (レス) id: 9ec8afc8ac (このIDを非表示/違反報告)
白縋 - リクエスト/キャラ:二宮さん 、カゲ キスの場所:腰 お目通しいただければ幸いです。 (2020年2月24日 3時) (レス) id: cc60f72ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セニオリス | 作成日時：2020年1月2日 10時
