◆菊地原士郎【額】 ページ2
【透き、好き、空き、隙】
風間隊のオールラウンダーであるAが、菊地原の膝で眠りにつく光景に三雲は言葉を失った。というか、心配停止直前になった。
自主練のランニングの休憩に、近くにあった公園へと足を伸ばしたらベンチに菊地原の姿が見えたので、挨拶をしようとした結果だ。
「……何?」
「い、いえいえ!!何でもありません!!」
「文句あるの?関係ないよね?」
滅相もない、と全速力で去っていく三雲を眺めながら菊地原は溜め息をついた。膝の上で眠りこけるAは対照的に幸せそうだ。
それもそのはず。昨日まで太刀川に書類整理を手伝わせられてクタクタだったのだから。幸せそうなAの頬を、軽くつついてみる。
膝の上で身動きして器用に寝返りをうった。次は髪の毛を触ってみる。一瞬だけ眉をしかめたが、直ぐに小さな寝息だけが聞こえた。
今度は唇に触れてみる。艶やかな桜色が驚いたようにピクリと動く。その反動で少し開いた口がまた閉じ、菊地原の指をくわえた。
「……え」
これは予想外だったらしく、菊地原も固まる。これが無自覚だというのだから、幾分かたちが悪い。そーっと、指を抜いて一息。
この状態で起きられていたら、堪ったもんじゃない。絶対に何か誤解させられるに決まってる。絶対に可笑しな空気になる。
『……あれ』
「あ、起きた?膝が痺れちゃったんだけど」
『え!?ご、ごめんなさい……』
隙ばかりだ。そう思った。疲れ果てて異性の前で眠るとか。その可愛い寝顔を自分以外の男に見せるとか。無駄に笑顔を振り撒くとか。
彼氏として、独占欲は強い方なのかもしれない。それはAの無意識なタラシ行為とは違い、自覚済みだし、よく風間にも指摘される。
『士郎くん、素敵な夢を見たの』
「へぇ、どんな?」
『空を飛ぶ夢』
「餓鬼じゃん。そんなんで喜ばないでよ、恥ずかしい。まぁ、ぼくじゃないから良いけど」
『は、恥ずかしい!?何処が!?』
慌てるAの額に顔を近付け、軽くキスを落とす。その時にぎゅっと目を瞑るのは反則級の可愛さじゃないかなぁ、と心の中でぼやいた。
(し、士郎くん!?)
(いい夢見れて良かったね)
(……熱でもある?)
(何で?めちゃくちゃ失礼なんだけど)
(素直、だから。あの、嬉しかったです)
(……調子乗んなよ、馬鹿)
笑顔にときめいたのは、ぼくだけの秘密。
【額=祝福】
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きざみん - こんばんはセニオリスさんの小説好きです。失礼ですけど空閑君って書けますか？書けたらよろしくお願いします。キスの場所はどこでも良いので、出来たらよろしくお願いします。 (2023年2月22日 21時) (
レス) id: 4cee241057 (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - イツキ108さん» 此方こそ、返信が遅れて申し訳ないです。あまり期待に応えられていない文章になってしまってすいません。リクエスト有難う御座いました。 (2020年5月18日 22時) (レス) id: 353512f049 (このIDを非表示/違反報告)
イツキ108(プロフ) - セニオリスさん» こんばんは。以前文ストの花言葉のリクエストをさせて頂きました、イツキです。お礼をリクエストさせて頂いたページにと思ったのですが、コメントが出来ず他ジャンルでのページの返信になりご迷惑をおかけします。リクエストのお礼が後れた事、大変申し訳ありません。 (2020年5月7日 19時) (レス) id: ed04064b47 (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - 白縋さん» 了解しました。書ける時に好きなタイミングで書かせていただきます。 (2020年2月24日 11時) (レス) id: 9ec8afc8ac (このIDを非表示/違反報告)
白縋 - リクエスト/キャラ:二宮さん 、カゲ キスの場所:腰 お目通しいただければ幸いです。 (2020年2月24日 3時) (レス) id: cc60f72ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セニオリス | 作成日時：2020年1月2日 10時
