8、望まないカタチ ページ10
「そっか…真昼は何となくわかってたけど、Aも…そう思ってくれてたんだな」
私に向けて微かに微笑みながら桜哉がつぶやいた。当たり前じゃんって言いたいのに…
「せめてあと1週間…友達で入られたらよかったのにな…」
「…来週の文化祭、けっこー楽しみにしてたんだ…」
私だって…真昼と龍ちゃんと虎雪君と勿論桜哉と四人で回れるって楽しみにしてた。
お好み焼きが出るから桜哉に伝えようと思ってたのに…これじゃあ、
『無理じゃん…っはは、』
「有栖院御園…”お前の友達”の真昼とAが何を望んでるかちゃんと考えた？」
「‼御園彼の話を聞かないで…」
御園の顔が強張る…ダメだよ、そう言いたいのに口が麻痺しちゃったみたい。
「真昼とAがまだオレを友達だって言ってくれるのなら…」
「オレとお前は…友達になれたのかな？ほんのすこし…何かが違っていたら…」
真昼と私と桜哉と御園が笑って四人で遊びたかった。それを望んでいたはずなのに、
「真昼とAはお前とオレに殺し合いなんて望んでいのかなぁ…？」
ガシャッ、音を立ててリリィと御園を繋いでいた鎖が千切れた。それは、きっと御園の心が動揺した証…
「あ…ぁ」
「御園っダメです解いては…」
『リリィっ‼後ろっ…！』
困惑する御園に手を伸ばそうとするリリィ。その背後にさっきまで倒れていたはずのベルキアがいた。
慌ててリリィにそう叫んだら間一髪、避けられた。いや…
「ボッ…クは串刺公ベルキア☆足が串刺しだァ〜☆」
避けられていなかった。ベルキアの剣にはリリィと思われる足が突き刺さっていた。ベルキアの体から銀色の糸が何本も見え隠れする。
『糸で動いて…⁈だ、れが…』
「御園…」
リリィが御園の名前を呼んだ瞬間、御園から赤い飛沫が飛び散った。赤い華が沢山咲いた。
ふらりと倒れる御園が視界をとらえた。御園に溢れるあの赤は何？
「『御園‼』」
御園の赤が近くにいた私にもかかった。ドロリとしていて生臭い…あぁこれは、
「さぁオレの話はどこまでが嘘でしょーかっ？」
「いつオレ達が二人で来たなんて言った⁈」
血、なんだ。ナイフを持って加虐的に笑う桜哉。
「…もう一人いたんですか…」
「言ったっけ？ははははっ」
狂った様に笑う桜哉。
赤い華に囲まれる御園。
肩を震わして泣く真昼。
これが、私の望んでいたカタチだっけ？
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夜月詩音(プロフ) - 怖憂歌@堕天使さん» 指摘ありがとうございます！今度、一気に見直して直させていただきます^ ^ (2016年9月29日 18時) (
レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
怖憂歌@堕天使(プロフ) - ところどころサーブァンプになってますよー！！ (2016年9月29日 18時) (レス) id: 0b14825069 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 閻羅さん» 桜哉の話はティシュ無しでは見られませんよね！← (2016年8月28日 22時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
閻羅(プロフ) - 目から止めどなく溢れ出る塩水。・゜゜(ノД`) (2016年8月28日 22時) (レス) id: e75d33a950 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！更新速度は、1日に出来るだけ更新するって感じです^ ^ (2016年8月28日 16時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月詩音 | 作成日時：2016年8月22日 20時
