7、グッドナイト・スイートドリーム ページ9
「リリィが意味もなく僕から離れるわけがないだろう」
未だ理解できない喋る桜哉…だけど、私は少しだけわかる…御園のやろうとしている事が。
「さァさァ喝采を‼ボクは”串刺公”ベルキア☆」
「得意技は串刺し芸☆見せちゃうぞォ〜ッ」
ベルキアと名乗った手品師は、帽子の中に手を突っ込みニヤニヤと笑顔を浮かべていた。
「脱出不可能の串刺しBOX☆さァさァアホ毛ちゃんから串刺しにィ〜」
「串刺しになったのは貴様だ手品師」
陽気なベルキアの声は静かな御園の言葉によって遮られた。もう手も頭も思う様に動かない私は、ここにいる意味があるのだろうか？
「城田、A…見せてやる。僕の武器の使い方の１つを」
その言葉と共に、御園のあの椅子が現れた。その椅子はベルキアをのせて拘束した。
「赤の女王の処刑台」
「なっ…何だよォこのイス⁈」
「もしかして…御園の武器ってそのイス…っ」
ベルキアの首に鎌が当てられる。リリィは、ベルキアの背後に立つと躊躇なくベルキアの首を切った。
「まず一人」
初めて、武器の恐ろしさを知った。
『あ、れ？首…きれてない？血も出てないし…』
「色欲が破壊するのは肉体ではありません…精神です」
私の目の前で倒れたベルキア。体からも首からも血の一滴が出てなかった。
精神を破壊、その言葉に少しだけ安心した。
「髪を切ったのはお返しです♡」
ニコリと笑ったリリィを見て確信する。リリィの髪を切る事は絶対に駄目だと…
「久々に術の練習をした甲斐がありましたかね。御園が真昼くんとAさんにどうしてもいいとこ見せたいというので…」
「黙ってろリリィ‼」
『み、その…っ…』
弱々しい自分の声。もっとしっかりしなきゃいけないのに…
_____御園も武器を使ってたね可哀想に。
_____君はいつもひとりぼっちだ…だって、
_____人間だからね
未だに頭に響く甲高い声が、吐きそうな位気持ち悪いんだ。
「大丈夫だ…A、お前は見てればいい」
フワリと笑った御園。私は本当に情けない人間だ…そのあと、クルリと立ち尽くしていた桜哉に向き直った御園。
「残念だ。城田とAは貴様を一番の友達だと言っていたのに…」
その言葉に今まで俯いて筈の桜哉が顔を上げた。
「…真昼とAが…オレを？」
そんな桜哉の顔は今までに見た事のないくらい寂しくて儚い表情だった。
何で、そんな顔をするの？桜哉…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【SERVAMP】C3とか、壊すとか、人間の私にどうしろと？ 【SERVAMP】 腐女子だけど特に親しくもない同居人の前で思いっきり同人誌ぶち撒けた 合わせることを知らない二人の相性は抜群でした。【Part2】もっと見る
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜月詩音(プロフ) - 怖憂歌@堕天使さん» 指摘ありがとうございます！今度、一気に見直して直させていただきます^ ^ (2016年9月29日 18時) (
レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
怖憂歌@堕天使(プロフ) - ところどころサーブァンプになってますよー！！ (2016年9月29日 18時) (レス) id: 0b14825069 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 閻羅さん» 桜哉の話はティシュ無しでは見られませんよね！← (2016年8月28日 22時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
閻羅(プロフ) - 目から止めどなく溢れ出る塩水。・゜゜(ノД`) (2016年8月28日 22時) (レス) id: e75d33a950 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！更新速度は、1日に出来るだけ更新するって感じです^ ^ (2016年8月28日 16時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜月詩音 | 作成日時：2016年8月22日 20時
