24、みんなとは違う ページ26
「オレはお前達に嘘をついて隣にいたんだ…っ」
桜哉を追って出たのは屋上だった。風が私の頬を撫でた。
『…それでも一年間…楽しかったんだよ‼桜哉がいたからっ』
「戻ってこいよ‼」
桜哉が手すりに登る。俯いてて顔はわからないけど、少し悲しそうに思えた。
「もう…一緒になんて無理なんだよ。オレは人じゃない…」
「みんなとは違うんだよ…」
違う。本当に？私と同じで裁縫が出来なくて、お好み焼きが好きで、少し馬鹿で…なんだ。
『違ってたって、桜哉は桜哉でしょ‼』
フワリ。桜哉が手すりから落ちる。それを真昼とほぼ同時に掴んだ。
「俺やAにだってお前の手を掴む武器があるんだっ」
「飛べ‼」
真昼に手を掴まれながら、凄い勢いで飛んだ。そして、下の地面に落ちた。
『その武器…飛べたの？』
「だって…黒猫とホウキだぞっシンプルに考えて…飛べるだろ⁈」
「ふ…っ思い切り良すぎだろ…っ」
桜哉がふふっ、と笑った。3人で顔を見合わせて笑った。…やがて、桜哉の頬から雫が流れ落ちた。
『さく…や』
「もっとこんなふうにさ笑ってたかったよ…っでもっ…だめなんだ」
「オレは…あの時椿さんに…」
そこから聞いたのは、椿の話より進んだもっと悲しい話だった。
「あの人はオレに嘘をつかなかった。椿さんだけがオレに手をのべてくれた」
「救われたと思ってしまった」
あぁ、同じだ。辛い時、誰かに手をのべて貰ってしまったらその人を無条件に信用してしまうこと…
「オレはあの人を裏切れない…あの人が殺せと言えばオレは…」
わかるからこそ、助けたい。救いたいんだ…小さな私では助けることはできなかったから。
「『…それじゃあっ』」
「俺とAが椿を止めてやる」
『そんな馬鹿な事するのはさ…』
「シンプルに考えて俺とAとクロだろ‼」
真昼が私を見る。カウントに入れな！って言いたいけど別にいいや。
『今の桜哉には…椿だけじゃないでしょ…私も真昼も…みんなもいるよ‼』
『一人じゃないって言ったのはそっちでしょ？』
桜哉の言葉を思い出した。桜哉は、私の肩を掴んで笑った。
「…ありがとう。十分だ…っ」
「…でも今は…まだ一緒にはいられない」
なんとなくわかってた。それでもいいよ…
「A…そのネックレスいつもつけてくれるか？」
『ばーか！当たり前でしょ』
「…ありがとう」
シュッと桜哉が消えた。赤い石が光に反射して少し光った。
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夜月詩音(プロフ) - 怖憂歌@堕天使さん» 指摘ありがとうございます！今度、一気に見直して直させていただきます^ ^ (2016年9月29日 18時) (
レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
怖憂歌@堕天使(プロフ) - ところどころサーブァンプになってますよー！！ (2016年9月29日 18時) (レス) id: 0b14825069 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 閻羅さん» 桜哉の話はティシュ無しでは見られませんよね！← (2016年8月28日 22時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
閻羅(プロフ) - 目から止めどなく溢れ出る塩水。・゜゜(ノД`) (2016年8月28日 22時) (レス) id: e75d33a950 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！更新速度は、1日に出来るだけ更新するって感じです^ ^ (2016年8月28日 16時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月詩音 | 作成日時：2016年8月22日 20時
