22、確かな思い出 ページ24
「Aっ‼」
椿としばし笑っていたら、後ろから真昼の声が聞こえた。真昼は泣いたのか少し目が赤かった。
「お迎えが来たみたいだね…じゃあね。A」
『うん！またね、椿』
ニコリと笑った椿はフワリと狐になるとクロに何かを言って帰った。
「めんどくせー…」
クロがまた不機嫌になった。クロ最近カルシウム足りてないんじゃない？
「A、桜哉のとこ…学校行こ‼」
『真昼…うん、行こっか‼』
さっきまで迷いだらけだった真昼の目。今は迷いのない私の大好きな真昼だった。
二人で走りながら、学校に向かう。
桜哉。私は、あんたのこと何も知らなかった。
知ろうともしなかった。桜哉が隣にいるのが当たり前だって思ってたから。ごめん…
「A、俺さ…桜哉とちゃんと向き合うよ‼」
『うん、私も』
ねぇ、桜哉…桜哉はさ私達の隣でどんな風に笑ってたかな？
＊
「うん、わかった。大丈夫だよ、Aも行きたい高校決まってるみたいだし…謝らないでよ叔父さん。俺達大丈夫だから」
『真昼…叔父さん来れないって？』
「うん、そうみたい。どうしても仕事が抜けられないんだって」
志望校の面談の時、やっぱり叔父さんは仕事で行けなくなった。
『そっか…「まーひるっ、Aーっ！」
「今日真昼んちで夕飯食って良い？」
『桜哉…あんたねぇ…』
「あー三者面談？真昼んちの叔父さん来れそう？」
『無理みたい。ま、出張ってやつ？』
「そっかー…オレもだよ。まっ、オレは親がいたとしても面談とか必要ない成績だけどっ」
真昼が力なく笑う。真昼、結構ショックだろうな…
「…へこむなよ」
ポンっと、私と真昼の頭に桜哉の暖かい手が乗った。
「じゃあさっオレと真昼とAと先生で三面やろーぜっ」
「どーゆー面談だよそれ」
『それじゃあ、四者面談になっちゃうじゃん』
ふふっと思わず笑ったしまった。桜哉が嬉しそうに目を細めた。
「こんなのどーでもいいってことだよ」
「元気出せよ真昼」
「無理すんなよA」
あー、バレてたか…桜哉にはいつも嘘はつけなかった。
「一人じゃねーよ」
そうだね。桜哉。
＊
あの時、嬉しいと純粋に思った。
その気持ちも感覚もちゃんと私の中では消えてない。
私と真昼は確かに桜哉と一緒に笑っていた。
それは確かな思い出で、何より大切なものだよ。
「『桜哉…‼』」
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夜月詩音(プロフ) - 怖憂歌@堕天使さん» 指摘ありがとうございます！今度、一気に見直して直させていただきます^ ^ (2016年9月29日 18時) (
レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
怖憂歌@堕天使(プロフ) - ところどころサーブァンプになってますよー！！ (2016年9月29日 18時) (レス) id: 0b14825069 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 閻羅さん» 桜哉の話はティシュ無しでは見られませんよね！← (2016年8月28日 22時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
閻羅(プロフ) - 目から止めどなく溢れ出る塩水。・゜゜(ノД`) (2016年8月28日 22時) (レス) id: e75d33a950 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！更新速度は、1日に出来るだけ更新するって感じです^ ^ (2016年8月28日 16時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月詩音 | 作成日時：2016年8月22日 20時
