9、仕方のないコト ページ11
「桜哉‼なんで…こんなことするんだっ嘘だこんなの…っ」
隣で真昼が不意に叫んだ。肩を震わして。
「四人で友達になれると思ったんだ…なのに、どうして…っ俺…っ」
桜哉に向かって訴えかける真昼を見ていられなくて目を逸らした。その時、御園からゴホッと音が聞こえた。
「…A…僕は…余計なことをしたか…？」
『御園っ…気がついて…⁈』
「友達を…守りたかったんだ…」
御園の息遣いが荒い。きっと、今喋るのも辛いはずなのに…
『余計なことじゃない‼真昼も、きっとそう思ってるよ…‼御園が来なかったら私は…っ』
殺されてた、その言葉が御園に届く前に御園はフッと笑って目を閉じた。気絶しただけだとリリィが言ったのが最後…
「っ、なんでなんだよ桜哉…っ」
真昼が桜哉に向かってもう一度叫んだ…
「真昼とAにはわかんねぇよ。オレがずっとどんな気持ちでいたかのかなんて」
「みんなで楽しく遊んだ帰り道のどが乾いて仕方ないんだ…楽しければ楽しいほど乾いて乾いて殺したくなる」
銀色の刃物を真昼の首に突きつける桜哉。目は、私の方に向いていた。
「そんなとき…椿さん達に会うと安心するんだ…オレが悪いんじゃない吸血鬼はそういうふうにできているんだ」
「傷つけるのは仕方ない…」
「傷つけても仕方ないなんてあるわけ…っ」
真昼を蹴飛ばす桜哉。ねぇ、傷つけるのが仕方ないことなの？
『…傷つけても良いなんてただの言い訳だよ…そんなの‼』
「そうかもなぁ？後ろめたくて気持ちいいんだ！でもさA…」
真昼の頭に足を乗っけながら桜哉は顔だけ私の方を向いて笑った。
「嘘をついたお前の言葉なんて何一つ意味ねぇんだよ」
_____可哀想な子、友達一人守れない
届かない？私の言葉も、気持ちも…桜哉には何一つ…？
「さぁ真昼、Aもっと本気でオレを殺しに来いよ。そうしないと…オレはまたお前の友達を殺すかもよ…⁈」
_____うそつき、
桜哉の顔が酷く歪んだ時、綺麗な声が聞こえた。桜哉のすぐ隣には女の人がいたから。
_____自分がされて悲しかったことを彼達にもするの？
そんな女の人の言葉に桜哉が動揺する様に振り返った。女の人は私の前に来た。
_____ごめんね。うそつきな弟をよろしくね
フワリ、笑顔を浮かべた女の人は桜哉に似ていた。私の大好きな桜哉に。
「何もしないでどうするんだよ‼」
真昼が桜哉に向かっていこうとする。クロの言葉も聞こえない様に。
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夜月詩音(プロフ) - 怖憂歌@堕天使さん» 指摘ありがとうございます！今度、一気に見直して直させていただきます^ ^ (2016年9月29日 18時) (
レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
怖憂歌@堕天使(プロフ) - ところどころサーブァンプになってますよー！！ (2016年9月29日 18時) (レス) id: 0b14825069 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 閻羅さん» 桜哉の話はティシュ無しでは見られませんよね！← (2016年8月28日 22時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
閻羅(プロフ) - 目から止めどなく溢れ出る塩水。・゜゜(ノД`) (2016年8月28日 22時) (レス) id: e75d33a950 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！更新速度は、1日に出来るだけ更新するって感じです^ ^ (2016年8月28日 16時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月詩音 | 作成日時：2016年8月22日 20時
