苦手度7% ページ10
＊
振り返らなくてもわかる自分が嫌だ。
「朝以来だな！転校生！」
「…どうも」
ほらね。
視線の先には、ニコニコ笑う守沢さんとダルそうな高峯君がいた。
『……どうも』
愛想笑いを浮かべ、ぺこりと頭を下げる。
今日は、本当に厄日かもしれない…。
ちょっと二人が話して終わるだけだと思っていた。
なのに、思った以上にスバル君と守沢さんは会話に花を咲かせていた。
「あ！ちーちゃん先輩達もこっちに座りなよ！」
しまいに、スバル君がキラキラした笑顔でそう言った。
予想通りの、スバル君の言葉に少し動揺して下げたままの顔を上げた。
パチリと、高峯君と目が合った。
高峯君は、少しだけ私の顔を見るとふいっと逸らした。
高峯君は、流星隊の中で唯一私に関わってこない人。
きっと、私の事はあまり気にしてないのだろう。
それが一番、有り難くて普通なんだけど。
「そうか？ありがとな！」
高峯君に気をとられていたら、話は進んでしまっていた。
気づいた時には前には守沢さん。斜めには、高峯君という私にとって最悪な絵面が出来上がっていた。
「…転校生さん、ここ良いですか？」
『えっ、あ、うん。勿論‼』
嘘つき。本当は、1秒でも早く離れてどこかへ行きたいくせに。
頭の中で、小さな自分が嗤う。
嫌、なんて弱虫な私には言えるはずもない。
『皆で食べた方が美味しいしね！』
白々しい嘘を並べ、笑顔をばらまく。
憂鬱な気分とか不満とか全部、飲み込む様にオムライスを口にする。
「へぇー、そうなのか？」
「うん！それでね〜」
前では、ハイテンションでスバル君と話をする守沢さんがいて。
「…守沢先輩がすみません」
「いや…うちの明星がすまん」
「2人の会話がママ友ぽいよ…⁈」
隣で保護者みたいにため息つく二人とツッコミを入れる真君がいて。
とてもじゃないけど、混ざれる気がしない。
蚊帳の外、ってやつ？
さっきまで美味しいと感じていた味も、
さっきまで楽しいと感じていた時間も、全く、わからなくなっていた。
『…嫌だなぁ…ほんとっ…』
溜まりに溜まった胸の中の、黒い憂鬱なモノを取り除きたくて…そっと、吐き出した。
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夜月詩音(プロフ) - 雷月ささめさん» ありがとうございます！過去の話は、自分の中でも特にお気に入りの下だったのですごく嬉しいです^ ^これをきっかけに、流星隊好きが増えてくれたらな…って思ってます！ (2016年6月4日 22時) (
レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
雷月ささめ(プロフ) - 夢主ちゃんの正義が苦手な理由、過去とか、凄いゾクゾクしました…！流星隊だから気になったんですが見惚れる内容です〜！これからも応援してます！ (2016年6月4日 12時) (レス) id: 85dc925e9d (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 湊さん» ありがとございます！！作った時、面白いのかな？って凄い不安になってたので…そう言っていただけると嬉しいです！ (2016年5月25日 19時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します、この作品を読ませていただきました！凄くいい話で、なんというか、もう最高です！！！これからも頑張ってください！応援してます！！！ (2016年5月25日 11時) (レス) id: 54cc045c92 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 竜さん» ありがとうございます！自分でも書いてて、こういう人って実際にいたりするのかな？とか思ってましたw更新も、なるべく早く出来るように頑張ります( *｀ω´)b (2016年5月17日 21時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月詩音 | 作成日時：2016年5月1日 22時
