苦手度18% ページ22
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真っ暗な闇の中、私は立っていた。
『ここは…?』
辺りを見渡せば、1人の少女が立っていた。
黒い背景に浮かぶその姿は異様で、不気味だった。
けれど何故か、その姿には見覚えがあった。
少女がゆっくりとこちらを振り向く。
『…ぁ、いや…』
驚きで言葉が出なくなる。
喉が渇いた様に、カラカラになる。
寒くないのに、カチカチと歯が音を立て震える。
少女は幼い私にそっくりだった。
幼き日の私の目が不気味に輝く。
大嫌いで、憎んだ、あの赤い目が私を凝視していた。
逃げなきゃ。ほぼ、直感でそう悟った。
おぼつく足取りで行く宛さえないのに、少女と反対方向に体を向けた。
その時、ゆらりと人影が増える。
それと同時に、聞こえてくる声。
_____お前、気持ち悪いんだよ…
_____化け物は、どっか行けよ!
_____赤い目なんて、悪者じゃん!
『っ…ぁ…』
浴びせられる言葉と共に、少女の体には傷が増えていく。
そんな光景に、上手く呼吸が出来ず喉がヒュウヒュウと嫌な音をたてる。
ピタリと、声がやみ人影が不気味に笑う。
手には、いつ持っていたのかわからない赤い赤い炎が揺らめていた。
少女が、さっきよりも一層怯えた顔をする。
そんな少女に、人影はニタァと笑った。
_____悪者は、倒さなきゃ!
徐々に人影が近づいてくる。
それに比例して、少女は後ずさるが四方を囲まれ直ぐに動けなくなってしまう。
『…だめっ…やめ…』
伸ばした手は、何も掴めないまま落ちる。
怖いのに。目を瞑りたいのに。
聞きたくないのに。耳を塞ぎたいのに。
私の体が、言うことを聞いてくれない。
_____だって、俺達はヒーローだから!
赤い炎が、少女の白い肌を焼いた。
白い肌が醜く、赤黒く変色していく。
まるで、本当の化け物の様に。
『いやぁぁっ!』
暗い暗い闇の中を、私の叫び声が埋め尽くしてた。
頭を抑えて俯く私に、誰かが嗤う。
馬鹿ね、と。
愚かでどうしようもないわ、と。
顔を上げれば、鼻がくっつく距離に少女がいた。
少女が、口をパクパクして何かを伝えてくる。
遅れて、音が追いついてくる。
”助けてくれる人なんて、いないのにねぇ?”
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1000ツイート超えました!驚きです( ;´Д`)
お気に入りしてくれる人も、いてくれたみたいで本当にありがとございます(((o(*゚▽゚*)o)))
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夜月詩音(プロフ) - 雷月ささめさん» ありがとうございます!過去の話は、自分の中でも特にお気に入りの下だったのですごく嬉しいです^ ^これをきっかけに、流星隊好きが増えてくれたらな…って思ってます! (2016年6月4日 22時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
雷月ささめ(プロフ) - 夢主ちゃんの正義が苦手な理由、過去とか、凄いゾクゾクしました…!流星隊だから気になったんですが見惚れる内容です〜!これからも応援してます! (2016年6月4日 12時) (レス) id: 85dc925e9d (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 湊さん» ありがとございます!!作った時、面白いのかな?って凄い不安になってたので…そう言っていただけると嬉しいです! (2016年5月25日 19時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します、この作品を読ませていただきました!凄くいい話で、なんというか、もう最高です!!!これからも頑張ってください!応援してます!!! (2016年5月25日 11時) (レス) id: 54cc045c92 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 竜さん» ありがとうございます!自分でも書いてて、こういう人って実際にいたりするのかな?とか思ってましたw更新も、なるべく早く出来るように頑張ります( *`ω´)b (2016年5月17日 21時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜月詩音 | 作成日時:2016年5月1日 22時