検索窓
今日:25 hit、昨日:0 hit、合計:53,627 hit

苦手度17% ページ21





学校を出ても、私は走り続けた。

幸い、学校から家は近く10分程でついた。


クリーム色の柔らかな色合いの壁と、赤いレンガの屋根が特徴的な自分の家。

その暖かな雰囲気に、少しだけ落ち着きを取り戻した。


『ただいま…』


両親は、旅行中で家の中は静まり返っていた。

無造作に鞄を置き、クッションに顔を埋める。


『ふぅ…』


深い溜息が出る。溜息つくと、幸せが逃げるっていうけどもう逃げてるな。きっと。


何分かそうやっていると、電子音が鳴り響いた。

ゆっくりとした動作で、携帯を開けば


【大丈夫か?】


そんな文面が目に飛び込んできた。
送り主は、大神晃牙と表示されている。


『晃牙君…?』


晃牙君がメールしてくるなんて珍しい。
しかも、いつもの俺様口調じゃない。

短調な文で晃牙君の不器用さがわかる。

それだけ、心配してくれているのだと少しだけ嬉しくなった。


『大丈夫だよ!…っと』


送信ボタンを押した3分後また、電子音が鳴り響く。


『早っ…!』


苦笑しながら見てみる。また短い文だ。


【何か、あるんなら言えよ】



『晃牙君らしいな』


晃牙君の問いには答えられなかった。


【ごめんね】


その4文字だけを打ち、携帯の電源を落とす。


『ごめんね…』



こんな言葉しか送れない私は晃牙君よりも、ずっと不器用で弱虫だ。


もう、何も見たくなくてソファに横になる。


『正義のヒーローなんて、やっぱり嫌いだ』


息を吐いて、ゆっくりと、瞼を閉じた。

苦手度18%→←苦手度16%



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
45人がお気に入り
設定タグ:あんさぶるスターズ , 流星隊 , 夜月詩音   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜月詩音(プロフ) - 雷月ささめさん» ありがとうございます!過去の話は、自分の中でも特にお気に入りの下だったのですごく嬉しいです^ ^これをきっかけに、流星隊好きが増えてくれたらな…って思ってます! (2016年6月4日 22時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
雷月ささめ(プロフ) - 夢主ちゃんの正義が苦手な理由、過去とか、凄いゾクゾクしました…!流星隊だから気になったんですが見惚れる内容です〜!これからも応援してます! (2016年6月4日 12時) (レス) id: 85dc925e9d (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 湊さん» ありがとございます!!作った時、面白いのかな?って凄い不安になってたので…そう言っていただけると嬉しいです! (2016年5月25日 19時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します、この作品を読ませていただきました!凄くいい話で、なんというか、もう最高です!!!これからも頑張ってください!応援してます!!! (2016年5月25日 11時) (レス) id: 54cc045c92 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 竜さん» ありがとうございます!自分でも書いてて、こういう人って実際にいたりするのかな?とか思ってましたw更新も、なるべく早く出来るように頑張ります( *`ω´)b (2016年5月17日 21時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜月詩音 | 作成日時:2016年5月1日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。