苦手度8% ページ12
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「どうしたんだ?転校生?」
さっきまで、喋りに夢中になっていた筈の守沢さん。
なのに、私の言葉が聞こえていたのか。
「いつもより、元気が無いみたいだぞ?」
探るような、視線に思わずイラっとした。
『そうですか?いつも通りですけど?』
なるべく、棘のある言い方に捉えられない様に注意をして喋る。
「確かに!転校生いつもより、静かだったよね?大丈夫?」
「気分が悪いのか?」
何を勘違いしたのか、スバル君と北斗君まで心配をしだす。
やめて、そんなんじゃないの。違うの。
『ううん!大丈夫だよ、気にしないで!』
大丈夫、だなんて下手くそな言い訳。
不器用な私じゃこれが精一杯。
それ以上の、言葉なんて思いつかない。
「本当か?何か、困った事があるなら言ってくれ!いつでも、助けに行くぞ!」
俺は、ヒーローだからなっ!
…またそうやって、親切を押し付ける。
やめてよ。そんな、眩しい言葉私に向けないで。どうせ、助けに来ないくせに。
頭の中で、ストップをかけても私の中で嫌な言葉が溢れて出てくる。
止まれ、止まれ。
そう願っても、頭の中はぐるぐる嫌な言葉がまわる。
『も、守沢さん急にどうしたんですか?』
「いや、転校生は何か一人で抱えるタイプだと思ったからな!無理はするなよ?」
不意打ちの守沢さんの言葉に、どこか動揺した自分がいた。
それを認めたくは、なかった。
一瞬だけ、頭が真っ白になった。
数秒の沈黙で、気づく。机を思いっきり叩いていた。
皆が、呆気にとられ私を見る。
それもそうか…プロデューサーがいきなり、机を叩いたんだから。
ほら、こんなにも頭は、酷く冷静なのに
『関係ないでしょう?放っておいてくださいよ』
口から出た言葉は驚く程、震えていた。
馬鹿だ、私。
守沢さんは、善意で言ってくれたのに…また、こうやって突き放した。
「…わ、悪い」
守沢さんの謝りも聞かず、食堂から早足で出て行く。
チラリと見えた、守沢さんの顔は少し傷ついてる様に見えた。
_____俺は、お前の味方だからな!
_____困った事があったら言え。俺が助ける!
耳を塞ぎたくなるような、綺麗事の数々。
それと、守沢さんのは全然違うのに。
『私って、…最低』
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夜月詩音(プロフ) - 雷月ささめさん» ありがとうございます!過去の話は、自分の中でも特にお気に入りの下だったのですごく嬉しいです^ ^これをきっかけに、流星隊好きが増えてくれたらな…って思ってます! (2016年6月4日 22時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
雷月ささめ(プロフ) - 夢主ちゃんの正義が苦手な理由、過去とか、凄いゾクゾクしました…!流星隊だから気になったんですが見惚れる内容です〜!これからも応援してます! (2016年6月4日 12時) (レス) id: 85dc925e9d (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 湊さん» ありがとございます!!作った時、面白いのかな?って凄い不安になってたので…そう言っていただけると嬉しいです! (2016年5月25日 19時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します、この作品を読ませていただきました!凄くいい話で、なんというか、もう最高です!!!これからも頑張ってください!応援してます!!! (2016年5月25日 11時) (レス) id: 54cc045c92 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 竜さん» ありがとうございます!自分でも書いてて、こういう人って実際にいたりするのかな?とか思ってましたw更新も、なるべく早く出来るように頑張ります( *`ω´)b (2016年5月17日 21時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜月詩音 | 作成日時:2016年5月1日 22時