14、突然の天気雨 ページ15
吸血鬼も真昼も、勿論私だって昨日そこにはいなくて。無理矢理つじつまが合わされている。
今、思えば街中で暴れたのに警察も野次馬も…”誰もいなかった”。
「あー、意味わかんねで…シンプルじゃねぇ…」
真昼も同じ事を考えてるのか隣から、呻き声が聞こえた。
『真昼…「ちょっとォ〜狭いよォ〜」
「うるせーな暴れんなよ…」
「ねぇ〜お腹すいたァ〜」
「めんどくせー奴だなー…」
「おい、誰だ喋ってる奴ー…」
突然真昼の鞄の中から聞こえた声。真昼と顔を見合わせて、二人でリュックの中を覗いた。そこには、ギュウギュウに詰まっているクロと手品師…
「先生ッすげー頭痛いんで早退しますッ」
『真昼が心配なんで送り届けてきますっ‼』
「ちょ…城田、城谷⁈お前達、さっき来たばっかだろ⁈」
光の速さで二人して、教室を出て行った。
「何で、これバックに入ったんだよ…Aか？」
『いくら、私でもそんな事しないよ』
手品師を覗き込みながら、二人で喋る。マジで、何でこいつ入ってたの。
「お腹すいたァ〜血飲みたいよォ〜ねェちょっとだけ〜」
「ぬいぐるみになってもうるせーなぁ」
『ちょ、真昼…』
真昼がぬいぐるみに向かって喋る。通りすがる人達が不思議な目で私達を見てくる。それに気づいて真昼に声をかけようとした。
「ねぇ、あの子ぬいぐるみに喋ってる…」
『だから、言ったのに…』
しまいには笑われてしまった。真昼は、頬を赤くしてぬいぐるみを隠した。
「あ〜ッこのクソガキ共椿に殺されちゃぇ〜」
何故、私もカウントに入れるのだろう…こいつ達。クロに心当たりを聞いても、知らねーの一点張り…
「シンプルに考えれば…その椿ってのが向こうのボスでお前の事狙ってんじゃないの？」
『それどうにかしないとまた来たりとかしないないよね⁈』
「知らねー…そんな怖そうな奴と向き合えねーよめんどくせーし…」
「『お前は…』」
その時、突然雨が降ってきた。驚いて空を見上げれば、青い空
『天気雨…？』
突然の天気雨に、少し嫌な予感がした。真昼に早く行こうと、言おうとした瞬間辺りが白い霧に包まれた。
「…ねぇ君達」
低い声と共に、下駄の鳴る音が聞こえる。それは、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「何か面白い話をしてよ」
現れたのは黒い着物を着た男の人。
突然の天気雨は新たな出会いの始まり。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 249人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜蓮 - 29話の下から6行目のそう言うと御園は仕方ないなた、になってますよ、仕方ない、な、の間違いでしょうか？ (2017年11月13日 13時) (
レス) id: 65a5a837be (このIDを非表示/違反報告)
亜蓮 - えっと、28話の1番最初のお前はシンプルに言うとただ椿とかから皆わ、になってます、を、の間違いですよね (2017年11月13日 13時) (レス) id: 65a5a837be (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - れなちーにょさん» すみません！6が抜けていたみたいです…今度、一気に修正する期間を作りたいと思うので…本当にスミマセン（ーー；） (2016年10月17日 6時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
れなちーにょ(プロフ) - 6のお話はないのでしょうか、、？ (2016年10月17日 0時) (レス) id: d65292d144 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 雷雨さん» 本当、スミマセン！もう少し日が経ったら、自分の作品見直して誤字脱字探すことにします… (2016年9月20日 19時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜月詩音 | 作成日時：2016年8月15日 22時
