11、『新入りには優しく』 ページ12
＊
『すみませんっ‼遅れました！』
「おっせぇんだよ！いつまで待たせる気だ‼仕事舐めてんのか？あぁ？」
猛ダッシュで、一般の船に飛び乗って五舎まで来た私にジュークさんの怒号が飛んでくる。
この人の怒った顔は、どんな凶悪犯より怖い顔してると思うのはきっと私だけじゃない。
『すみません‼今すぐ、着替えて来ます！』
「いや、小娘。お前、今日13舎行け」
着替えてこようと、ロッカーに行こうとするとジュークさんが止める。
13舎に行けって…え、もしかして
『く、クビですかっ⁈確かに遅れましたけど！あんまりじゃないですかっ‼』
「はぁ？何言ってんだ。今日、13舎は人手が足りてねぇんだよ。だから手伝いに行け」
顔面蒼白で、ジュークさんにすがりつくと眉間にしわを寄せて振り払われた。酷い。
『そういうことですか…って‼私、新入りですよ⁈昨日、入ったばかりなんですよ‼』
「昨日、これからビシバシ行くって言っただろうが」
確かに言いました！言いましたけど…せめて、もう少し新入りには優しくしてください。
これ以上言うと、また怒られそうなので渋々荷物をまとめて回れ右して入り口に向かう。
「小娘。精々、頑張れよ」
はっ、と鼻で笑ってひらひらと手を振るジュークさんにカチンとくる。
『上等。頑張ってやろうじゃん‼』
ベーっと、ジュークさんに舌を出して勢いよくドアを閉める。
絶対、完璧に仕事こなして褒められてやる。
優秀だねって、言わせてやる。
……そういえば。
『すみません。13舎ってどこですか』
「はぁー…地図書いてやる、待ってろ」
私は、方向音痴だということをすっかり忘れてました。
＊＊
『ここが、13舎…』
五舎とは違い、灰色の大きな建物と柵がはってある。
『お願いします。良い人がいますよーに』
そっと、手を合わせて13舎の中に入る。
ギィイと嫌な音が静かな13舎に響く。
『えーっと…厨房は、っと』
ジュークさんに書いてもらった地図を片手にきょろきょろしながら厨房を捜す。
遠くの方からドドッと凄い足音が聞こえて来た。
よしっ。場所聞こう！…聞こう、
『あのー』
「待て、ゴラァァっ‼」
「ハジメちゃーん、怖いよーっ」
「やっべ、今日は一段と機嫌が悪いぞ‼」
「ははっ、逃げろーっ！」
「ハジメー、捕まえてみろよ」
…聞けれる気がしません。
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名無し - とても面白いです！！頑張ってください！ (2017年6月10日 8時) (
レス) id: ec809085ba (このIDを非表示/違反報告)
月詠 - 凄く面白いと思いました！夢主のキャラ好きです。これからもがんばってください！ (2017年4月9日 5時) (レス) id: fd4b50b34f (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 琥桜（こう）さん» ありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです(*´ω｀*)これからも、精一杯更新頑張らせていただきます！！ (2017年3月7日 18時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
琥桜（こう）(プロフ) - この小説が出てからすぐに読んでハマりました！とても面白いです！これからの更新頑張ってくださいね！ (2017年3月7日 16時) (レス) id: e90c8d7ea0 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - ＊gami＊さん» ありがとうございます！口悪い女の子って、結構好きです。笑更新、頑張らせていただきます（＾ω＾）b (2017年3月6日 22時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月詩音 | 作成日時：2017年1月30日 21時
