sun rise (ページ28)

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思えば私から電話をかけるのは初めてだった。

仕事で嫌なことや落ち込むことがあった時に電話に出ると決まって今日あった面白いことや楽しかったことを話してお腹が捩れるくらい笑わせてくれていた。

その時は気づけなかったけど、小さな変化にも気づいてしまうヘチャンに私はずっと救われてたんだ。

...少しは私のこと好きでいてくれたのかな。

ひと息ついて電話をかけると、ワンコールで

HC「...はい」

大好きなすこし高めの特徴的な声が聞こえてきた。

HC「あのね、聞いてほしいことがあって...」

『うん』

HC「会いたいって言ったのは本心で...かわいいって言ったのももちろん本心なんだ...」

『それで...？私、言ってくれなきゃ分かんないよ...』

HC「...好きだよ」

『...』

HC「ずっと、悩ませてたよね...俺、Aちゃんからの好意を受けられることを当たり前のことだと勘違いしてたんだ」

HC「Aちゃんはファンだし...だけど、その受けた好意はなんらかの形で返さなきゃいけないことを分かってなかったんだ...違う気持ちであれ、同じ気持ちであれ」

アイドルとして、沢山のことを諦めてきた彼は、沢山の人から数多の好意を受けて沢山の人にパフォーマンスで返すことはしてきていたが、1人の人に好意を向けられた時、その人だけに対して気持ちを返すすべを知らなかった

『うん...』

HC「俺...Aちゃんのことが好きなんだ」

もう一度聞かされた“好き”という言葉に

自然と涙が頬を伝った

HC「もう...遅いのかもしれないけど」

『もう遅い...？なんで？』

HC「さっきの...男の声がした。彼氏...？」

彼氏か、だって？呆れる...

『...私が、どれだけドンヒョクのこと好きだと思ってるの？私は...！2日間あなたの声が聞けないだけで仕事に集中できなくて...ずっとあなたの声と優しさに心を救われてたの...！』

学生時代の勉強が辛かった時、就職活動で挫けそうになった時、寂しくて涙が出そうだった時、いろんな時ヘチャンの歌とダンスに救われてきた。

些細な日常の中にずっと、ヘチャン...あなたがいたんだよ。

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