sun rise (ページ27)

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と改まって話をしようとするヘチャン

なんだろう...と思って身構えていると

「Aちゃん、もう出なきゃ」

気づいたらビルの戸締まりの時間になっていた。

慌てて

『ごめん、かけ直すね』

と言って電話を切ってしまった。

「さっきの電話...彼氏...？」

『ちっ違います！』

「そっか...よかった」

そう微笑む水野さん。思わず胸が高鳴ってしまった。

しょうがない...イケメンだもん...

しかもよかっただなんて、まるで私のこと好きみたい...

え...？

見上げると眉毛を下げて私を見つめる水野さんが目に入る。

「やっと気づいたんだ笑」

鏡を見なくても分かる、顔が赤くなっているのを

『あ、その...ご、』

「まだ、返事はしないでほしいな。少し考えてみてよ」

切実な声と顔を見て思わず言葉に詰まる。
水野さんは先輩としてものすごく尊敬しているし、人としてすごく好き。

だけど...どんなに素敵な人でもヘチャンには敵わないんだ。

私の人生の中でこんなにも私の心を振り回してくる人は後にも先にもヘチャンだけだと思う。いや...確実にそうだろう。

『水野さん、本当にすみません。待っていただいても私の気持ちは変わりません...』

「そっか...分かった。だけど...少しの間だけ片思いしててもいいかな？」

こんなに素敵な人に片想いされるなんて、なんと贅沢なんだ、と思いながらも私より好きな人を見つけて幸せになって欲しいと生意気なことを願ってその場を後にした。

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