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そこにはヘチャンが立っていた
「なんでもないんですよ、ただの痴話喧嘩です」
急にさっきまでと声色を変えて平然と喋りだすスタッフさん。
HC「そうなの？」
まだ声を発することはできなかったが首を振ることはできた。
HC「違うみたいだけど？」
「ちょ、ちょっと混乱してるだけですよ気にしないでください」
HC「はぁ...Aちゃん、おいで」
「ちょっ...！」
スタッフさんの手が緩んだこともあり振りほどいてヘチャンの元に駆け寄ると抱き止めてくれた。
HC「怖かったね、よく頑張った。危ないからちょっと後ろにいて」
そう言い私を後ろにやると
スタッフさんに駆け寄り手を後ろで拘束して車に押し付けるように動きを封じた。
なにそれ...かっこいい...
HC「あ〜ヒョン！こっちこっち」
マネージャーさんらしき方と警備員の人が何人か来てスタッフさんを引き渡し戻ってきたヘチャン。先に呼んでおいたみたいだった。
HC「間に合ってよかったよ。って、若干間に合ってなかったかな？」
そう言っていつも見ているようなあどけない笑顔を向けてくれた。
『助けてくれてありがとうございました』
HC「へへッいいのいいの！それより怖かったでしょ？大丈夫？」
そこで自分の手が震えていることに初めて気がついた
HC「ごめんね、もっと早く来てあげられなくて」
と言いながら抱きしめられた。
......抱きしめられた...？へ！？まってめっちゃいい匂いする...はっ、でもここで息吸ったら変態みたいになるよねどうしようどうしようどうしよう...
とここで意識を手放した。我ながら頭がおかしいと思う。ほんとにごめんねヘチャン...
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あにょはせよ
3話分更新しました。1番の山場だったので一気に読んでもらいたかったです。
次から場面変わります。
まつやに
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作者名：まつやに | 作成日時：2021年3月26日 21時
