【A3!】寄り道しすぎでは。 (ページ5)

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「やあ！僕は門田ロミオ！高校1年生！
クラスメイトの女の子に片想い中なんだ！」

咲也が登場し話し始める。棒読みのセリフにカタカタの動き。緊張も合わさってからさらに変わった動きになっている。

なるほど、これは…ホンマに…全力お遊戯会…
全力なだけ可愛いけど。ていうかホンマに可愛い顔が整いすぎてる可愛いしんどい。高校生か…若いな可愛い…お目々ぱっちり絶対私の2倍以上ある。柔軟剤のいい香りしそう。

などと、咲也の可愛さを堪能していると舞台はいつのまにか終わったみたいであった。咲也の顔しかみていなかったので、全然内容が頭に入っていない。ごめんね咲也！

ふぅ、と息を吐き萌を堪能したところで私はMANKAI劇場を去ろうと席をたった。

原作クラッシャーになりたくないし、MANKAIカンパニーオタクのモブとして生きたい。現実世界の時からそう考えていた私は、これからのことを入念に考えていた。

財布はポケットに入れてたからお金はある。ていうかお金しかない。とりあえずは、ネカフェにでも泊まって服を買ってバイト探して、モブになりきろう。でもA3の人とちょっとは関わりたいから、三角屋根のカフェとかでバイトにしよう、みすみ君とカフェ友の2人が来てくれそうだ。

これからの生活に胸を躍らせながら出口へと歩いて行った。

すると、

「ええと、一人……いや二人です！大丈夫です。私には父から授かったツテと演劇虎の巻があるんです！」

いづみ様の大根演技が聞こえてきた。

頑張れ、いづみ様！私がトップオタクとしてこれからお金落としていくから頑張って！

「それにほら！あそこにいる方も劇団の関係者です！」

『！？』

いづみ様の声が聞こえ思わず振り向いてしまう。

？？？？？今私に向かって話してた…？気のせい？気のせいやんな、原作にそんなセリフなかったしなハハハ

こちらをみる4人に構わず扉を開けようとすると、

「もう！どこ行っちゃうんですか！はやくこれからのこと考えないと、ヤクザさんに劇団が潰されちゃいます！」

『……』

間違いなく、私に話しかけている。いづみ様の方に目を合わせると、

察して…！話し合わせて…！

と目で訴えかけているのがすごくわかる視線をいただいた。