検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:3,185 hit

ページ ページ2

.


「ふーっ、食べ過ぎた……」


ごちそうさまでした、と手を合わせたあとでお腹をさすると、自分でもビックリするくらい張ってる。


「今日消費した分、ちゃんと補ったね」


なかなかズバッとしたことを、相変わらずにこにこ笑いながら言う。

そんな彼を憎めない。
まあ、憎んだことなんてないんだけどね。


彼の隣にいて、何か悩まされるような経験は一度もなかった。
しいて言うなら、お料理がおいしすぎて困ってるくらい。


「そういえば、いただいたお饅頭があるけど食べる?」


それと、こうしておいしいものに恵まれすぎること。
よく、差し入れでいただいたものを私にもおすそ分けしてくれる。


「う……や、食べたいんだけど、太っちゃうなあ……」


「迷うんなら食べなよ。まだ柔らかいぞ〜」


私は見事に誘惑に負け、「いただきます!」と言っていた。


「ん〜おいしい」


「おいしいねぇ。今度俺もお店行ってみようかな」


幸せそうな顔をする彼を見ると、おいしいものはもっとおいしくなって、何倍も幸せになれる。



目が合ってにっこり笑う彼が、


「Aちゃんにはいっぱい食べさせたくなるんだよなあ」


とつぶやいてお茶をすすっていた。


「どうして?」


「素直な反応してくれるでしょ?それ見るの好きだから」


そう言ってじっと顔を見られてしまうと、恥ずかしい。


照れを隠すように「可愛いから、じゃないのね?」と冗談を言うと、

「Aちゃんが可愛いのはいつもだよ」だなんてサラリと言う。


ますます照れてしまうワケだけど、その彼の顔をよく見ると……


「ねぇひろくん、鼻膨らんでるよ」


注意すると、もっとワザと膨らませようとする。


「ダメダメ!アイドルなんだから閉じて」


あははは、って彼は自分のことを指摘されているとは思えなくらいに、カラッとした笑顔で笑ってる。
そういう飾らないところも大好きだ。

次ページ→←ルピナスもよう[Hrs.N]



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

すず(プロフ) - リクエストに応えてくださりありがとうございます!寂しいですが、残してくださった作品をこれからも読み返させていただきます。大好きです。 (9月25日 10時) (レス) id: e84de64e10 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ヨーリン | 作成日時:2023年4月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。