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ルピナスもよう[Hrs.N] ページ1

request:長野君のやさしさと隠れた腹黒さ



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買い物袋をどさっと置いた時、さっき閉めたばかりの玄関が開く音がした。
それと一緒に「ただいま〜」の声も聞こえてくる。


「おかえり!」

ひろくんは私と目が合うと、もう一度「ただいま〜」と同じ声のトーンで言ってくれる。


「ごめんね。私さっき帰ったばかりで、まだ何も作ってないの」


「全然全然。お買い物ありがとうね」


食材を冷蔵庫に詰めていると、いつの間にかひろくんはエプロンをつけてキッチンに立っていた。


「早っ!?」


「んー?」


なんの事?と、ちょっとおとぼけ顔で首を捻っていた。


「さっきまでそっちにいたのに。瞬間移動?」


「Aちゃんが寝てたんじゃないの?」


にこにこ笑いながら、彼は時々こんな冗談を言う。


「ばっちり起きてたよ!」

私が反論すると、「ハハハ」と笑って楽しそうだ。

そんなことをしている間にもテキパキと動いて、まな板の上には既に食材が乗っていた。


「ありがとう、ひろくん」


疲れて帰ってきてるのに、ごはんまで作ってくれる。
「そんな優しい人どこにもいないよ」って言うんだけれど、彼にとっては「当たり前のことをしているだけ」、らしい。


「今日はどんなの調達できましたか?」


その証拠に、「疲れてる」なんてことも口にしないし、こうやってごく自然に会話が続いていく。



「みてみて。美味しそうだったから2玉買っちゃった」


「おぉ〜立派!早速焼いちゃおっか。生でも食べてみますか?」



春キャベツを片手で軽々持ち上げて、まるで少年みたいにキラキラと目を輝かせて言った。

ようやく片付けが終わった私も、エプロンを着けて隣に並ぶ。


「今日ね、仕事帰りにそのまま行ってきたんだ」


いつもは一旦家に帰ってから改めて自転車で出かける。
そのことを知っている彼は、目を大きく開いて驚いたかと思ったら、


「痩せようと思ったの?」


と、捉えようによっては辛口な発言。


「違うよ(笑)一旦家に帰るのが面倒だっただけ」


「このまえ、お腹引き締めたいって言ってたから」


「そうだった、私が自分で言ったんだっけ」


と私が笑うと彼も笑っていた。

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すず(プロフ) - リクエストに応えてくださりありがとうございます!寂しいですが、残してくださった作品をこれからも読み返させていただきます。大好きです。 (9月25日 10時) (レス) id: e84de64e10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨーリン | 作成日時:2023年4月27日 0時

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