私に彼氏が出来ない理由

口が悪いのはオッパ似 ページ27

『 バイバイ〜 』


放課後。

この前お祭りに行った彼とも何事も無かったようにいつも通りになり、安心する。


ユンギ今から向かうから待ってろ


ユンギからのカトクを確認し、教室でスマホをいじりながら待っていると、


｢ あっ、Aちゃんだよね？！ちょっといいかなあ ｣


名前を呼ばれて扉の方を見れば、昼休み、うちのオッパこと、ユンギに告白して(多分)振られたであろう学年1可愛い女の子がいた。


え、そんな可愛い子が私に何か用？(違う)


という思考と、


もう1つはユンギに関することだと思った。


"3年のユンギの妹"


という名で私は2年でも3年でもわりとなぜか名が知れ渡っていたから。



『 あぁ、うん 』



前者だと信じたいけど、99%後者だろう。



･



とりあえず教室から出て廊下に出ると、HRが終わって時間が経っているからか、私たち以外に人は居なかった。



そして女の子はくるりと可愛く回転して、私の1歩手前まで歩いてきて向き合った。


……うわ、間近で見るとさらに可愛い。

そんな、呑気なことを考えていたら。



｢ あんたみないなのがユンギ先輩の妹だからって調子のんな ｣



可愛い彼女からは想像出来ない低い声で言われると同時に、頬を叩かれた。


……あぁ、やっぱり。


顔が可愛いことくらいしか知らないから"あの時"よりはマシだけど、普通に痛いわ。




でも、口だけは"あの時"と違う。

……なんせ、アンタの大好きなユンギの妹だからな。




『 振られたからって私に突っかかってくんな、ブス 』






自分で言って思った、口わる。

こんな可愛い子にブスとか自分やべえわ。




なぜか今日の私は饒舌だったのか、



『 さっきユンギからカトクがあったから……
もしかしたら、どこかで見てるかもね？ 』



根拠は無いけど、私は言う。
……でも、こういう場合大体ユンギはどこかで見守ってくれてる。


私がそう言うと、驚いたのか口に出そうとした言葉を引っ込める彼女。


｢ ……口が悪い女は嫌われるわよ ｣



そう言って彼女が去ろうとすると、隣にいつも喧嘩してるオッパが居た。








YG｢ 口が悪ぃのは、俺似だから ｣



珍しく妹として扱うように頭をぽん、としながらユンギが言うと、彼女は無言で去って行った。



……ユンギが私の頭をぽんとする時、


それは、"よく頑張りました"の合図だった。

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