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その言葉を聞いた瞬間に名字を言ったことを後悔した。ああ、また弟を悪者にされてしまう。私を可哀想な子と哀れな目で見つめられる。
今から起こるであろう状況に嫌気がさして、ここから早く立ち去ってしまおうと行動に移そうとすると。
｢…なにかあったのか？｣
『え？』
想像していた皮肉の言葉とはかけ離れた心配する声で素っ頓狂な表情が全面に出てしまった。
赤井さんは少し表情を曇らせるも直ぐに無表情へと戻り、煙草を唇から離す。
｢なにか悲しそうな、思い詰めたような泣きそうな顔をしていたからな。｣
赤井さんの言葉にビクッと身体が揺れた。
彼には私の心情が全て透けて見えているようで怖い反面、ちゃんと私のことを見てくれてるんだという嬉しさが込み上げてきた。
ああ、まだ感情は死んでいない。
まだ私は生きているんだ。
あの日の事件以来、死にかけた私が初めて心の底から生きているんだと実感できたときはこのときだった。
私を見てくれる人はまだいるんだ。
家族以外にもいるんだ。
…信じて話してみてもいいかな？
もう私一人の心の中だけで醜い復讐心と憎悪を押し込むことなんて限界だった。
踵を返しかけた走れない足を止めて赤井さんと正面から向き直る。
無意識に強く握った手は爪がくい込んでじわじわと痛みが来るが、今の私にはそれが安定剤のように安心する。
大丈夫、きっと赤井さんなら…。
『赤井さん、話聞いて貰えますか…？』
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來夢(プロフ) - ふうゆうさん» ふうゆうさん、コメントありがとうございます。この作品だけではなく他の作品まで見て頂けるとは本当にありがたいです……！これからも諦めずに頑張りますね！！ (2020年7月2日 18時) (
レス) id: 190601da98 (このIDを非表示/違反報告)
ふうゆう(プロフ) - コメント失礼します！來夢さんの作品はいくつか読ませて頂きどれも私が好きな作品ばかりです。コメントに慣れていなく、可笑しな点が多く読みにくいと思われますが１番に言いたいことは応援しています！これから頑張って下さい！ (2020年7月2日 14時) (レス) id: 9a6a3e7bdb (このIDを非表示/違反報告)
來夢(プロフ) - ムスメ3さん» ムスメ3さん、コメントありがとうございます。この作品の完結まで頑張っていきますね！ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 190601da98 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 楽しみに待っております (2020年7月1日 21時) (レス) id: 87b01b0a04 (このIDを非表示/違反報告)
rin0412(プロフ) - そうなんですね！！ 勘違いしてました…すいません！ これからも楽しみにしています！！ (2020年7月1日 20時) (レス) id: 7208dd9f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：來夢
| 作成日時：2020年6月30日 18時
