40 ページ41
･
物陰で見ている大きな影と小さな影がひとつずつ。
目の前で角砂糖を甘く焦がしたような蕩ける雰囲気を醸し出している美男美女を遠くから見ている。
｢ぎゃああああああ、Aちゃんが！松田さんにあーんしてるる！！！！｣
激レアだ、と叫びながら今度は随分と高そうな一眼レフのシャッターを壊れそうなほど叩きまくる。
｢ちょっと、唯月さん…。｣
｢犯罪者にしか見えないんだけど…。｣と呆れたようでため息をひとつ零す少年。
｢さすがにそこまでする必要ないんじゃない？｣
一眼レフを持ってきてまでついて行くなんて、と大きな目を薄めてジト目をする。
唯月さんは先週ポアロに来たAさんが松田刑事とデートをすると言う話を聞いて尾行してきたのだ。
無関係な俺も連れて…。
唯月さんはレンズから目を離しこちらを見つめる。その時の瞳がバキバキで怖すぎて口角が引き攣る。
｢コナンくんはわかってないな。｣
唯月さんは俺と目線を合わせるために腰を折り曲げてしゃがみこむ。そして真剣な瞳に映りこんだ俺。じっと彼の放つ言葉を固唾を飲んで待つ。
…わかってないってなんだ？もしかしてここで事件が起こるのか？何か物語に重要な何かが起こるのか？
ただ事ではない空気に頭をすぐさま推理モードへと移行させる。もし、黒の組織がこの場所にいるとしたら…。
そう思っていると固く閉ざしていた口を開いた。
｢この回は神回なんだよ。｣
松田さんとAちゃんの距離が前進する、松宮を応援してるファンにとっては歴史に残す程の回なんだ。と至って真面目に言ってくるが。
｢え？｣
予想の斜め上を行く回答に素っ頓狂な声を出すしかなかった。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
來夢(プロフ) - 簓遥花さん» 簓遥花はんコメントありがとうございます。嬉しいお言葉とても嬉しいです！これからもっとかっこよくなる松田くんをたくさん書いていこうと思います。これからもよろしくお願いいたします。 (2020年6月16日 21時) (
レス) id: 190601da98 (このIDを非表示/違反報告)
簓遥花 - 初めましてこの作品大好きで楽しみに待ってます。。松田くんもかっこよく好きです！ (2020年6月16日 20時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
來夢(プロフ) - たらんちゅらんさん» たらんちゅらさんコメントありがとうございます。松田くんと犬猿の仲プラスで原作に主人公ちゃんが登場していたら、という私の勝手な妄想で書き始めたのですが、ここまで皆さまに見られるとは思っていませんでした。嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2020年6月15日 20時) (レス) id: 190601da98 (このIDを非表示/違反報告)
たらんちゅらん(プロフ) - 今までにない感じ、凄い好きです！更新頑張ってください！ (2020年6月15日 20時) (レス) id: 0d4b051528 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：來夢
| 作成日時：2020年6月15日 10時
