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．
「ん、」
寂しさの穴を埋めるように永瀬さんといた。
受験、という事もあり部活を辞めた彼はその分私との時間を取ってくれるようになった。
「Aちゃんは、ホンマは俺のこと好きやないやろ？」
彼にそう聞かれた時、素直に答えられない自分がいた。
彼の優しさに浸り兄に関すること全てを重ね塗りしたかった。狡いでしょ、といつだか言った時彼は自分も弱いところに漬け込んでるからと、同罪だと言った。あの日以来、彼は私に何もしてこない。せいぜい手を繋ぐぐらいだ、それはきっと私が彼を好きではないというのをもともと分かっていたことを間接的に伝えた。
本物の恋に偽物が勝ることはない、だけれど私は彼の事を大切に思っていた。秋には2人で紅葉を見に行って冬は寒い中お互いを温めあって、そんな落ち着いた恋の形も世の中にはあるのだろう。
季節はあっという間に過ぎ、もうすぐ永瀬さんも兄も卒業である。
「俺、東京行くねん」
『寂しくなりますね』
「お前の兄ちゃんもやけど」
見透かしたかのように伝えられた言葉に咄嗟に反応が出来なかった。
あれからというものの兄と私は全く喋る事がなかったから、そんな事知らなかったのだ。そして、こんな事考えている時点で私は兄が恋愛的な意味で好きです、と伝えているようなものであった。
「キティもきっとAちゃんの事好きやで、
でもキティは大人やからその思いを踏みとどまってんねん」
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プラム - 返信ありがとうございます。ヨモギさんの作品好きです。これからも楽しみにしています！ (2019年8月29日 0時) (
レス) id: bd64163aa1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ(プロフ) - プラムさん» プラムさん、コメント有難うございます。私も岸くんは普段考えてないように見えるけれど実は誰よりもグループのことを考えて行動している気がします。お気に入りのシーンを好きと言って下さって嬉しいです、有難うございます！ (2019年8月28日 9時) (レス) id: f404b9d437 (このIDを非表示/違反報告)
プラム - 岸くんは太陽みたいな人だけど、月の様な部分もあって。メンバーの誰よりも現実的に物事を捉えているように感じます。お話の中でリアルな岸くんを感じてドキドキしました。車の中でのシーン、私も大好きです。何とも言えない感情が沸き上がってきて、胸が熱くなりました (2019年8月27日 18時) (レス) id: bd64163aa1 (このIDを非表示/違反報告)
海里(プロフ) - ヨモギさん» いえいえ！返信ありがとうございます！！ (2019年7月22日 17時) (レス) id: 5be75b73df (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ(プロフ) - 海里さん» 海里さんありがとうございます、そう言って下さって嬉しいです！ (2019年7月20日 14時) (レス) id: f404b9d437 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨモギ | 作成日時：2019年7月17日 11時
