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ストライカー。それは、進学校のくそ雑魚サッカー部で俺に与えられたポジション。点を乱獲し、いかにも人気者になれそうな、何がとは言わないがとても”陽”なポジションである。
だが所詮進学校。部活のやる気は全く無かった。部員はだらだらしてるし、部室の教室はエアコンもなく最悪の環境だった。
それでもめげずに頑張ってきたこの二年間。
_何かの試合に勝利したことは一回もなかった。
悔しさというよりかは、後悔。俺はこの二年間何をしてた?人気者になるため?そんな理由でやっていて楽しかったか?一回でも他の人の目に写れたことがあったのか?
こんなことならいっそのこと、勉強一筋で人気者になればよかった…!!
俺のサッカーは、ここで終わった。
_筈だった。
二年間の後悔を悶々と頭で巡らせて、顔を上げたらもう自宅だった。何とも表現しがたい喪失感と共に、家へ入る。
まず、一番に入ってきたのは母親のキラキラと輝く瞳と、何やら弾んだ声だった。
「A〜!アンタすごいじゃない!」
何の話だ。こっちはなんかムカムカしてんのに。…あ、もしかしてラブレターでも入ってた?やっぱモテる男は違うな〜。
そんなことを思っていたら母はニッコリと明るい笑みで、封筒を渡してきた。
あ、これはラブレターだ。俺は確信した。確信したぞ。そうだ、きっと。
ドキドキしながら封筒を開け、中を見ると、
「………は?何これ、強化指定選手…??
あー、…これ帝襟アンリさんって子からのラブレターか。」
「違うでしょ?JFUだってよ?いいじゃない、ホラ、行ってらっしゃいよ!明日でしょ?」
「……………ウワ、ほんとだ…」
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飴玉 - 初コメ失礼します、とても面白いです!応援してます! (2023年3月27日 23時) (レス) id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぎゃつなか | 作者ホームページ:
作成日時:2023年3月20日 19時