一撃を自称するにもおこがましい ページ44
タ「技だ。奴は高度な武術を使う……シルバーファングは、厄介な魔物を育ててしまった様だな」
どうやら私の電話中に話が進んでいたらしい。ボロボロのタンクトップマスターを見て、サイタマは無免ライダーに耳打ちした。会話の内容は良く聞こえなかったが、聞き取れた単語から推測するに「あの人誰?」みたいな感じだろう。
すごいな、ニュースとか見ないんだろうか。
サ「ああ〜〜そういや新聞に載ってた!一番ボコボコにされた人だって」
タ「せめて一番食い下がったと言え!!」
『はは、正論ストレートパンチだなぁ』
思い出したことをパッと口に出した様に、オブラートもクソもない言葉でサイタマはタンクトップマスターを指さした。
分かるよ、オブラートとか人の気持ちとか、めんどくさいもんな。いいぞもっとやれ
タ「くそッ…情けない話だ、この俺とした事が……!まさかあんな若造に不覚を取ろうとは…全く武術とは厄介なものだ」
『この俺ってどの俺だい?私が知る限りでは、君はそこまで慢心できるほど強くはなかった気がするけど。
君が不覚をとったわけじゃなくて、シンプルに実力不足だっただけさ。気に病むことはないよ』
無「いやいや、チェリーに比べれば誰だって弱いんだから……。タンクトップマスター、貴方は凄いよ、僕は少しも役に立てなくて……」
私が流れる様にディスったが、すかさず無免ライダーがフォローする。仏の如き優しさに感激するが後悔も反省もしない。何故なら事実だから。
『とはいえ……いくら実力不足とは言え、並のチンピラが多少武術を習得したところでS級に勝てるわけもないしね…。』
タ「ああ……全く武術とは厄介なものだ。これまで、どんな怪物が相手だろうとほとんど一撃で退治して来た俺が……」
サ「バナナやる」
そう言ってサイタマは千切ってバナナを一本タンクトップマスターに渡す。いや、どんなタイミングなんだ。そして何故若干嬉しそうなんだ。
それより、タンクトップマスターは何言ってるんだ?何が“どんな怪物も一撃で退治”だ?そもそもS級がそんなクソ雑魚の相手ばかりしているから、私の仕事が増える一方なんだろう。雑魚ばかり相手にして慢心した結果がこれなんて、哀れにも程がある。
そんな考えは一切表に出さず、足を組み替えてニコニコと笑っておく。ああ面倒くさいなぁ。ヒーロ狩りはボッコボコにして協会に差し出して(協会の人間が)一泡吹くのを見たいんだが、それにしたってめんどくさい。
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亜雄色(あおいろ) - ゆきなさん» 更新&返信遅れて大変申し訳ございません…!分かります!!私もその2人めっちゃ大好きです!!!(大声)ありがとうございます!やっぱりワンパン愛が足りないので滝行するしか無いですね (2020年11月3日 14時) (レス) id: e36e2a56bf (このIDを非表示/違反報告)
亜雄色(あおいろ) - おかめさん» その節は大変申し訳ございませんでした…!ありがとうございますぅ、全力で更新させていただきます…! (2020年11月3日 14時) (レス) id: e36e2a56bf (このIDを非表示/違反報告)
亜雄色(あおいろ) - ホロロさん» おもしロンドン…!?(溢れ出るセンス)ありがとうございますうううう!!更新&返信遅れまくってすみません…!ワンパン愛が足りませんね、滝行してきます (2020年11月3日 14時) (レス) id: e36e2a56bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 推しは番犬マンと金属バッドです!これからも無理せず頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年9月11日 4時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
おかめ(プロフ) - 更新が暫く無いようですが、ずっと待ってます! (2020年5月29日 21時) (レス) id: 93e49bab53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜雄彩(あおいろ) | 作成日時:2020年2月16日 16時