ワンパンならぬワンキック

そこで口説くか ページ28

アマ「……チェリー、君は強い。頭もいいし、何より美しい。」

金「急に口説いてんじゃねぇよ顔面カチ割んぞ」

アマ「君ほどカリスマ性のある人間はいない。断言する。君はヒーローという職業のイメージを担うべき人材なんだ亅

金「無視すんなコラ」


始まった。

こんな風に、こいつはやけに私にヒーロー…というか多分、全人類を束ねて欲しがっている。嫌だ、面倒だ、君がやれと何度断っても聞いちゃくれない。

いいぞ金属バット、頼むからカチ割ってやってくれ


アマ「僕は正義のもと活動している。君のイメージダウンは僕もいただけない。」

『今までの話となんの脈絡も関係性もないな。日本語を勉強し直してきたらどうだい？

そもそもさ、正義のもとに活動しているなんて言うけれど…ドラマの撮影で来るのが遅れましたなんて、もし人類が何万人も犠牲になったとしたら…果たして民衆は君の言い分を聞くのかな？

アイドル、ヒーロー…掛け持ちは結構だけれど、ヒーローの理想なんてものをS級(私たち)に求めるのなら

まずは君がこの現場に間に合ってみせなよ』


面倒なので冷たく言い放って一蹴する。
アマイマスクはぐ、と顔を顰めて何か言おうと口を開いたが、何かの落下音に遮られた。
次はそっちに全員の視線が集まる。わかりやすいなこいつら。


アマ「……メタルナイト！？君も集会があったのに今更来たのか！呆れる……」


それに関しては全面的に同意だ。癪に触るので言葉には出さないが。

というか後処理係(メタルナイト)が来たなら、これは本格的に帰っていいんじゃないだろうか。大災害(笑)も退けたのだし、今日はもう寝たい。

久しぶりにゾンビを飲みにでも誘おうか。ところでゾンビはどこだろうか。まさかまた瓦礫の下敷きになってるんじゃないだろうな。

そう思い至って、軽い足取りでこの場を離れようとした時。


ク「おおおい！宇宙人の生き残りがいるぞお！」


あまりのタイミングの悪さに、ついこの辺り一帯を更地にするところだった。
そのぐらい自分で対処して欲しいものだが、もはやこいつらに期待はしない。呆れやら怒りやらをため息で逃して、仕方なくクロビカリの方へ向かった。

怪人に生きる価値無し→←実は意外と同族嫌悪

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