馬鹿にしてる ページ17
机上に大きく映し出された3Dの映像は、間違いなくあのメモだった。…が、それぞれ驚きを隠せないような顔で混乱している。そりゃそうだ。
私も唖然とした後はため息をついて体の力を抜いた。無駄に期待した分余計に苛立ちが募る。ここのヒーロー協会の職員は馬鹿しかいないのだろうか。
あと何だ「読めるか!?」って。馬鹿にしすぎじゃないのか。
童「何それ?くだらないなぁ。……僕塾あるから帰っていい?」
私の今の心境を童帝が全部代弁してくれた。こんなくだらない話のためにわざわざ何十分も待っただなんて馬鹿らしすぎる。童帝の言葉を聞いてか、態度を崩して一気に怠そうにする私を見てか知らないが、シッチは挑発的に説明を続ける。
シ「…童帝くん、君は確か10歳だったかな?天才少年だと聞いていたが、この危機を認識できないようでは所詮お子様と言わざるを得ないぞ」
童「なんだと……!?」
『私的には何でもかんでも過大評価して危機だ危険だと騒ぎ立てることの方がお子ちゃまに思えてならないけれどね…』
先程の腹いせも兼ねて突っかかっておいた。やる気は一度無くして仕舞えばもう一度取り戻すことはなかなかに難しい。温くなったピーチティーの残りを一気に飲み干して、おかわりとクッキーを要求しておいた。
シ「いいかい、よく聞きたまえ」
入れるのが早いピーチティーと一緒に、美味しそうなクッキーが同じトレーに乗せられ運ばれて来た。焼き立てのクッキー特有の甘い香りが室内にふんわり立ち込めると、数人がちらちらと視線を向ける。美味しそうな香りだからだろうな。
サ「なぁ、これ食っていい?」
シッチの話をぼんやり聞いていると、またもやサイタマが話しかけて来た。彼がそう言って指差していたのはクッキーで、断る理由もないので頷く代わりにクッキーの乗った皿をサイタマの手前までそっと押し出す。
一瞬粗茶と洋菓子という組み合わせは如何なものかと思ったが、別に私が口出しするような問題でもないので黙っておいた。
甘い香りに誘われただけだったのか、サイタマは一枚だけ食べるとそれ以降は食べなかった。
適当にクッキーをとって口の中に放り込む。固すぎないクッキーはしつこくない甘さで、ピーチティーによく合う味をしていて好ましい。
今度クッキー作ってみよう。先程まで苛立ちが占拠していた脳内は、あっという間にそんな思考へと切り替わった。
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亜雄色(あおいろ) - ゆきなさん» 更新&返信遅れて大変申し訳ございません…!分かります!!私もその2人めっちゃ大好きです!!!(大声)ありがとうございます!やっぱりワンパン愛が足りないので滝行するしか無いですね (2020年11月3日 14時) (レス) id: e36e2a56bf (このIDを非表示/違反報告)
亜雄色(あおいろ) - おかめさん» その節は大変申し訳ございませんでした…!ありがとうございますぅ、全力で更新させていただきます…! (2020年11月3日 14時) (レス) id: e36e2a56bf (このIDを非表示/違反報告)
亜雄色(あおいろ) - ホロロさん» おもしロンドン…!?(溢れ出るセンス)ありがとうございますうううう!!更新&返信遅れまくってすみません…!ワンパン愛が足りませんね、滝行してきます (2020年11月3日 14時) (レス) id: e36e2a56bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 推しは番犬マンと金属バッドです!これからも無理せず頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年9月11日 4時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
おかめ(プロフ) - 更新が暫く無いようですが、ずっと待ってます! (2020年5月29日 21時) (レス) id: 93e49bab53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜雄彩(あおいろ) | 作成日時:2020年2月16日 16時