ワンパンならぬワンキック

嫌いなもの→ヒーロー協会 ページ14

シ「私は今回の説明役を任されたヒーロー協会のシッチだ。メタルナイトとブラストは居場所がわからず連絡も取れない状況にあるらしい。これ以上待っても埓が明かないので緊急集会を始める……」


やけに鼻のでかい、シッチと名乗った男はそう言って集会を仕切り始めた。何やら偉そうで尺に触る。しかしそんなことにいちいち突っかかっては会議が進まないし、彼からしたら理不尽極まりないことなのでここは黙っておく。


シ「早速本題に入らせて頂こう。

ヒーロー界の頂点に立つ君達に集まってもらったのは他でもない。今回は地球を守っていただきたい…！」


何やら緊迫した様子だが、まさか地球規模の話とは。些細なことですぐに騒ぎ出す臆病者のこいつらはいつも相手を過大評価する。鬱陶しいったらありゃしないが、流石に地球規模の話は聞いたことがない。
次は一体どんな下らない話をしてくれるのか。とっとと帰りたいんだが。


シ「今回ばかりは超人揃いのS級メンバーでも命を落とすかも知れん。逃げるのも勇気だ、今なら辞退してもS級に籍だけは残してやる。
だが今から言う話を聞いた者は逃すわけにはいかなくなる。……その場合はことが終わるまでこちらの方で軟禁させてもらう。混乱は避けたいのだ。」


上から目線の言い草に舌打ちが出そうになるも、そんなことにいちいち反応していたら会議が進まない。それに周りの人だって不快になるだろう。
勿体ぶってないでさっさと教えて欲しい。緊急事態なのにそんなことしている暇はあるんだろうか。

退屈より苛立ちが勝って欠伸すら出なかった。

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