第28話「温もりに包まれる」 ページ30
コツコツと太宰と私の歩く音だけが、廊下に響いている。
私は、太宰から3歩ほど下がった距離で太宰を見ていた。
私の異能力…
薄々、勘づいてはいる。
きっと精神操作の異能力だろう。
現に私が苦しめばと強く願うほど、あの女性は苦しんでいた。
ただ、どうやって発動したか分からない。
自分の頭が真っ白になっていたが、願うとそうなる事は分かっていた。
操れないのは厄介だ。
正直、怖い。
もし首領が私を利用した挙げ句、捨て駒のようにしようものなら…
私は、耐えられるだろうか?
そうして、暗い事を考えていたからだろうか。
前方不注意、太宰にぶつかる。
太「おっ、と…Aちゃん大丈夫かい?」
貴方「えっ、ああ、すみません…」
咄嗟の事にも関わらずよろけた私を受け止める太宰。
イケメンか。←
私も直ぐに謝罪を口にする。
太「Aちゃん、そろそろ首領の部屋に着くからね。」
貴方「はい。」
わざわざ、優しく教えてくれる太宰は、本当は良い奴なのかもしれない。
それから、あっという間に首領の部屋の前。
太「首領、太宰です。失礼します。」
太宰はノックをした後、手短にそう伝え部屋へと入る。
そこには、いつも通りにこやかに座る首領がいた。
森「ああ、すまないね太宰君。それと、Aちゃん大丈夫かい?」
エ「A!!大丈夫なの?」
首領は太宰に礼を言うと、こちらを見つめる。
その心配そうな目さえも色気が全開なんですけどふざけてますね。←
エリス嬢が私の方へと駆け寄ると心配そうにこちらを見上げる。
何だ、ただの天使か←
貴方「ご心配おかけして申し訳ございません、首領。エリス様も…」
私がそう申し訳なさそうに言えば、首領は優しく微笑む。
森「いや、構わないよ。君が目覚めてくれて本当に安心したよ。」
エリス嬢も笑って
エ「Aはもっと我が儘になるべきよ!!」
と言う。
ああ、何て、何て、優しく、温かいのだろうか。
さっきまで、悩んでいた事が馬鹿らしく思える。
大丈夫、首領は見捨てたりしないはずだ。
信じておこう。
例え、裏切られたとしても。
貴方「首領、エリス様、本当にありがとうございます…。」
深々と礼をすれば、二人は笑みを返す。
森「では、太宰君にそろそろ君の異能力についての説明をしてもらおうかね?」
話を替えて本題へと移る。
私が頷いたのを合図に太宰は口を開いた。
太「彼女の異能力は……
─────精神操作の異能力です。」
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舞 - 首領のルビ、ボスのはずなんですが...なんだか違和感があるんですよね「しゅ、首領」みたいなセリフの時内容はとても面白くてワクワクしながら読んでいます! (2018年7月2日 22時) (レス) id: 338b13862d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 原作しか見てないのでアニメではどうなってるのかわからないのですが、首領の読み方はそのままでなくボスだと思います!更新楽しみにしてます頑張ってください^^*(同コメありましたらすみません) (2017年9月30日 0時) (レス) id: cfd67c96bc (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_桜(プロフ) - 森さん(^q^)うぇへへ……なのですが、設定ページで三人称の意味合いが違うと……ヾ(・д・`;)heとかsheとかジャ (2017年8月18日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - きなこさん» 初コメントありがとうございます。この作品で森さん好きが増えたのであればこの上ない喜びですね。企画も賛成して下さり…感謝です。暖かい言葉嬉しかったです。これからも、不甲斐ない作者ではありますが、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - 晋陽さん» 森さんの色気は上手く描写出来ていますかね…?それならばとても嬉しいのですが…コメントありがとうございます。これからも、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルリ@現実逃避 | 作成日時:2017年2月1日 21時