第17話「引き分けに終わる」 ページ19
貴方「さあ?私はあまり噂に興味がありませんので…。」
私は、眉尻を下げて苦笑する
太宰にだけは、バレてはいけない。
トリップしてきたことが。
太「君って、秘書になるまでは最下級構成員だったでしょ?それも情報処理とかの前線に立たない仕事。それなのに、いきなり2週間ほどで首領の秘書?おまけに、君は普通の大学を卒業しただけであってこういった情報処理などに詳しいという情報はおろか、資格もない。ならば、何故?こんなにも情報処理が早いのだろうね?」
太宰は先ほどの私のように一気にまくし立てるとニィと楽しそうに口角を上げた。
……なるほど、裏社会に縁が全くない人間がどうしてポートマフィアなんかに居るのか、と。
元々、違う組織に属して居たのでは?と?
そう言いたいのだろうか?
太「だからね、噂では君は何がしら特殊な異能力の持ち主で、その異能力を首領が買ったと思われているんだよ。」
残念ながらチート異能力はないんですよ、太宰さんや。
私だって、そんな異能力とかトリップ特典なら当たり前の物が欲しいさ。
でも、ないんだよ!!
気配すらないよ!?皆無だからね!?
貴方「そうなんですか?私が情報処理が得意なのはボードゲームをパソコンでやっていく内に興味が出て少しかじってたからですよ。」
ただ、ボードゲームなんてオタクみたいで恥ずかしいですし、と照れながらそう言う。
一応、ポーカーフェイスは得意な方だ。
それに、コイツにだけはバレたくない。
太「そうなんだ。へぇ〜ボードゲーム。」
太宰は諦めたのかそれ以上は詮索しなくなった。
貴方「はい。チェスとかですかね?あ、紅茶淹れてきたので…粗茶ですが、どうぞ。」
太「ありがとう。チェス…ね。今度、私と勝負してくれたまえよ。」
貴方「時間があれば、善処します。」
コイツとチェス?
いやいやいや、無理。
絶対、何がしら賭けるに決まってる。
まあ、勝負したとしても負けないけど。
私はそれから太宰と暫く話していた。
ボロが出るのを待っていたようだったが、そうはいかない。
出してたまるか。
太「おっと、そろそろ時間だね。おいとまさせてもらうよ。」
貴方「はい、話し相手になって頂きありがとうございました。」
私が恭しく一礼すれば太宰は部屋を出る間際に呟いた。
太「何故、私が幹部と知っていたのかはまた今度じっくり聞かせてね…?」
意地の悪い、そんな笑みを残して。
太宰は退出して行った。
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舞 - 首領のルビ、ボスのはずなんですが...なんだか違和感があるんですよね「しゅ、首領」みたいなセリフの時内容はとても面白くてワクワクしながら読んでいます! (2018年7月2日 22時) (レス) id: 338b13862d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 原作しか見てないのでアニメではどうなってるのかわからないのですが、首領の読み方はそのままでなくボスだと思います!更新楽しみにしてます頑張ってください^^*(同コメありましたらすみません) (2017年9月30日 0時) (レス) id: cfd67c96bc (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_桜(プロフ) - 森さん(^q^)うぇへへ……なのですが、設定ページで三人称の意味合いが違うと……ヾ(・д・`;)heとかsheとかジャ (2017年8月18日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - きなこさん» 初コメントありがとうございます。この作品で森さん好きが増えたのであればこの上ない喜びですね。企画も賛成して下さり…感謝です。暖かい言葉嬉しかったです。これからも、不甲斐ない作者ではありますが、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - 晋陽さん» 森さんの色気は上手く描写出来ていますかね…?それならばとても嬉しいのですが…コメントありがとうございます。これからも、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルリ@現実逃避 | 作成日時:2017年2月1日 21時