俺だけのヒロインになって下さい。 (ページ7)

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cast.7 ページ7

「どうして、Aちゃんがここにいるんスか？ここにいるってことは、さっき不良の軍団を蹴散らしていたのはAちゃんって事っスか？？？え？？」

俺の中でのAちゃんのイメージが崩れていくッス...

目の前でフッと息を吐きながら髪をかきあげるAちゃんは、どう見てもAちゃんだ。

「ん〜、カクカクシカジカで...ってことにしてくれない？？」

「いや分かんないッス！！納得もいかないッス！！！」

「...どうしても話さなくちゃだめ？」

「あっ、いや、無理には、あ〜でもっ、知りたくないわけじゃないッスけど、それこそカクカクシカジカで話しにくいことだったら、無理には、聞かない...ッス...。」

「アハッ、七尾ってホント優しいんだね」

口を大きく開けて笑うAちゃんは、俺の知らないAちゃんに見えた。

口調も心做しか荒く...そういえば助けてくれた時も「ダッセぇんだよ」って言ってたような...？

「アタシ、中学の時に大分ヤンチャしててさ。それだけだよ。」

「...元ヤンってことスか？」

「そゆこと。」

笑う口元には八重歯がチラつき、髪をかきあげて顕になった耳にはピアスが付けられていた。

「このこと話したの七尾だけなんだ、出来れば他言無用でお願いしたいな...って...」

上目遣い気味で困ったような顔でこっちを見る様子は、無邪気で前とは違った可愛さがあった。

「っ、分かったッスよ…俺たちだけの秘密ってことで！」