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稽古の内容は主にアクション。激しい動きの中でメンバーで息を合わせながら立ち回る。
正直めっちゃしんどい。考えながら動くとか、バカな俺には無理だからただひたすらに体に動きを染み込ませる。
Aチャンに見られてるせいもあるのか、今日の自分の動きはキレがある…気がする…
緊張がいい感じに肩の力を抜いてくれてるのだろうか。
「太一。今日は調子がいいな。いつもより動きが滑らかな気がするぞ。」
一通りの流れを通し休憩に入った時に臣くんからそう言われた。
「やっぱそう思うッスか!!俺っちも思ったンスよ!!体軽いなー!って!」
「ま、気のあるオンナの前ではヘマ出来ねーもんな」
万ちゃんがAチャンには聞こえない声量でそう言った。
「ンな!!!!」
「図星だろ??」
意地の悪い笑みを浮かべて万ちゃんはAチャンの方へと向かう。
心底、嫌な感じがする…
「なぁ、ウチの稽古おもろいだろ?参加してみねぇ?」
「はぁ!??」
Aチャンと!?一緒に!?稽古!??
「Aチャンは女のコッスよ!?何考えてンスか万ちゃん!!!」
「私は、構いませんけど、というかいいんですか?」
「Aチャン!!!!!!」
なんでノリ気なんスか!??アクションッスよ!??
自問自答の末、辿り着いた答えが、
そういえば、Aチャンって元ヤンなんだよなぁ…
俺は考えることを諦めた。
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作者名:宵ノ月 | 作成日時:2022年9月4日 1時