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cast.16 ページ16

稽古の内容は主にアクション。激しい動きの中でメンバーで息を合わせながら立ち回る。


正直めっちゃしんどい。考えながら動くとか、バカな俺には無理だからただひたすらに体に動きを染み込ませる。


Aチャンに見られてるせいもあるのか、今日の自分の動きはキレがある…気がする…


緊張がいい感じに肩の力を抜いてくれてるのだろうか。


「太一。今日は調子がいいな。いつもより動きが滑らかな気がするぞ。」


一通りの流れを通し休憩に入った時に臣くんからそう言われた。


「やっぱそう思うッスか!!俺っちも思ったンスよ!!体軽いなー!って!」


「ま、気のあるオンナの前ではヘマ出来ねーもんな」


万ちゃんがAチャンには聞こえない声量でそう言った。


「ンな!!!!」


「図星だろ??」


意地の悪い笑みを浮かべて万ちゃんはAチャンの方へと向かう。


心底、嫌な感じがする…


「なぁ、ウチの稽古おもろいだろ?参加してみねぇ?」


「はぁ!??」


Aチャンと!?一緒に!?稽古!??


「Aチャンは女のコッスよ!?何考えてンスか万ちゃん!!!」


「私は、構いませんけど、というかいいんですか?」


「Aチャン!!!!!!」


なんでノリ気なんスか!??アクションッスよ!??


自問自答の末、辿り着いた答えが、


そういえば、Aチャンって元ヤンなんだよなぁ…


俺は考えることを諦めた。

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作者名:宵ノ月 | 作成日時:2022年9月4日 1時

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