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cast.11 ページ11

Aチャンは過去の事は話そうとしない。知りたい気持ちが無いわけではないが、無理に聞くのは良くないし、出来れば向こうから話してくれたらな…


だから今は、今のAチャンを深く知ろうと思った。


「Aチャンって部活やってるんスか?」


「あー、一応ね」


「何部ッスか!?実は荒々しいAチャンの事だから、空手部とか…?」


「そんな事したら元ヤンバレるでしょーが笑 今は演劇やってんだ」


"演劇"その二言に肩を揺らした


「な、なんでッスか…?」


「なんで…言葉で表現すんの難しいんだけど、舞台の上では、違う人になれるって凄いなーって思って?」


ちょっとクサイ事言った気ぃする と恥ずかしそうに笑うAチャンは純粋に演劇を楽しんでいる様だった。


「へ、へぇ〜、稽古のようすとか、見学とかいってもいいッスか、?」


「...笑わないって約束してくれる??」


恥ずかしそうに上目遣いで訪ねてきた。


笑わないでってなんだろう...


気になるけど、目をつむることにした。


Aちゃんは何かと隠したがる節がある。


無理に聞かない、言ってくれるまで。


言いたいと思ってくれるような存在になりたい。


そう思い、深堀りはせずに演劇部に向かった。

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作者名:宵ノ月 | 作成日時:2022年9月4日 1時

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