新撰組八番隊組長の愛刀は今日も本丸で戯れる

０話 上総介兼重今日、ここにて誕生。 ページ1

貴方side


『(あ…れ？治って…る？あれだけ修復不可能って言われたのに…)』

小さいので11箇所､大きいので4箇所あった刃こぼれは絶対に治らないと言われてたのに────



？？｢よう──完───か。──で───刀剣─────た。｣


誰か…誰かが喋っている。誰に話しているのかな？


確かめるために“目”を開けてみる。



ん？“目”？そんな、動物が持つもの私にあったっけ？


ゆっくりと目を開けたその視線の先には


白い小さな部屋に黒い何かを着た人が1人いるだけ。

？？｢やっと目を開けたか。ったく、お前を治すのにどれだけの時間を費やしたことか…｣


そんなの知らんこっちゃない。私にはどれだけ時間をかけたとかそんなのどうでもいい事



それよりも──────


『治っ…る？』


私と同じ事を思ってる声に驚いて周りを見渡してみたけどこの小さな部屋には黒い何かを着た人が1人と私しかいなかった。

？？｢おー。もう喋れるのか。感心感心。｣


喋っている？誰が？だって、この部屋には─────





小さな部屋にちょうどあった鏡を見てみるとそこには少女が写ってる。


？？｢まだ、実感がなくて混乱してるのか？お前は人間の体を手に入れたんだよ。｣


人間─────


平助くんと同じ“人間”？


もう一度鏡を見てみる。


もし、さっきの声が本当に私の声だったら。

喋ることが出来る“口”と鏡に写った少女の姿。ものを見ることが出来る“目”

“それ”を持つことが出来るのは──────







紛れもなく“人間”なのだ

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