happiness (ページ4)

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「君たち、うちの練習生になってみないかい？」

　

学校前の駅、いつもと何も変わりのない１日の途中、全く知らない人から爆弾を落とされた。

放課後である今の時間のこの駅はうちの生徒だけでなく他の学校の人も使うため人通りが多い。

通路の横で立ち止まる僕達は少しイレギュラーなのか、

それともさっきのスカウトが聞こえてしまっていたのか、

周りからの視線も感じ、いたたまれない気持ちになってきた。

人前が苦手な僕はアイドルの卵である練習生になったところで意味がないだろうし

辞めておこうと思って口を開く。

「やってみたいです」

思わず隣を凝視した。

嘘だろハンソル、
お前ってもっと恥ずかしがり屋で物静かなタイプじゃなかったっけ。

でもまぁ確かに
幼い頃からテレビに出てきたから、やりたいと思うのにも納得。

それでもじゃん。

そんな即決することあるのかよ。

そんな僕の思いはつゆ知らずか、いまだに目をキラキラさせてスカウトマンさんの話を聞いてるハンソル。

スカウトマンさんがにっこりとした表情でこっちに目を向け口を開いた。

「それで、そっちの君はどうするの。」

正直向いてない、

けど隣のハンソルがやりたいなんて即決するもんだから揺れる

『……やってみたいです』

今隣にいる君に、
おいていかれるのが嫌だったんだと思う。