happiness (ページ15)

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蝉の音が聞こえる夜はなんだか寂しくなる。

家族は今元気なのかな、とか

スンチョルくんとかの歳上のみんなに迷惑かけてないかな、とか

歳下の子たちにとっていいヒョンになれてるのかなとか。

毎日の練習と学業の両立。宿舎での生活。

どれも嫌いじゃないけど、疲れることだって少なくはない。
そしてその疲れは心に重く響くんだ。

相談はしたい。
けど、僕よりたくさん努力してるみんなの前では言えないよな、なんて思ってる。

リビングではしゃいでる弟達を横目に宿舎を出た。

少し外の空気を吸いたくなっただけ。

＊

夏とはいえどもう終わりに近づいてきて、
夜は少し肌寒い。

宿舎のすぐ隣の公園。街頭下のベンチに腰掛けた。

深呼吸をして思いきり息を吐く。
少し軽くなるように。

『……っふぅ』

寂しいのかしんどいのか、自分でもわからない感情。

小さな子供でもないのに涙が出そうで下を向いた。

MG「ん？わっ！ユノー！！
　どうしたんだよこの時間にー
　おーい！俺ーミンギュー！」

あーどうしてこうもミンギュは僕が泣いてる時に来ちゃうんだろ。

MG「ユノが1人って珍しいね。どーしたのー？」

歩いてるミンギュは暗くて僕の涙に気づいてない。

街頭下に出てきたミンギュ。

あーどうやってごまかそう。

『ちょっと肌寒いねミンギュ。
　タンクトップなんて寒くないの？』

MG「ぉーう。どーしたんだよユノ。目が腫れて
　るよ。」

綺麗に話を無視して心配してきたミンギュ。
ごまかしは効かないみたいだ。

『なんでもないんだ。
　ただ、ちょっと時間が早くて心が追いつかなか
　ったみたい。』

自分の思いを伝えるのは難しくて、涙が目に溢れた。
弱いところはみんなに見せたくなかったけど
溢れてくるものは止められなくて下を向く。
ミンギュの顔を見たら上手に笑えそうになかった。

ミンギュの大きい腕が僕の肩を包んだ。

MG「ユノー？無理しなくていいんだよ。
　そんなに自分を嫌がらないで。」

泣いてる僕をさするミンギュの腕が
暖かくて、暖かくて
涙と共に声が溢れる。

『っあぁ….ごめんっ
　泣きたくなんてないのにっ……』

MG「いいんだよ。泣きなよ。
　もっと自分に優しくしてもいいんだよ。」

僕を慰めるミンギュがあまりにも優しいから
泣いたんだよ

なんてからかい、
嗚咽しかでないこの口ではまだ言えそうにないな。