軍パロっていいっすよね ページ15
｢おい、書類はどうしたんや｣
如何にも高級そうな扉を、ノックもせず雑に開ける。
そして大股で気持ち良さそうに寝ている男に近付いた。
光が溶け込んだプラチナブロンドの髪。
陶器のような滑らかな雪肌。
…いやはや、顔は良いんやけどな。
私は、右手を頭上と同じ高さに上げ、勢いよく机へと振り落とした。
その音と衝撃で男は飛び起きる。
｢わぎゃ！｣
男は、その赤眼で私の顔を暫く見詰めると、状況を理解したのか、
段々と顔色が蒼くなっていった。
｢…仕事は、書類は？終わったんか？｣
無駄に整った顔に睨みを利かせ、普段より幾分か低い声で男を脅す。
母国の訛りで更に厳つくなっていることだろう。
…決して私は非合法の者ではないので安心してほしい。
寧ろ合法的すぎる職業やし。
ちらりと机の脇に視線を移す。
そこには、何十枚もの重要書類が重なっていた。
そのうちの一枚を手に取り、男の鼻先に突き出す。
｢…寝てたってことは終わってるっつぅ認識でええんよな？
この、判子すら押されてへん紙を、終わったって胸張って言えるんやろうな？えぇ？｣
｢いや…その…｣
｢なんや、反論があるなら言うてみい。
この莫大な情報をすっぽかしてサボっとった事実をひっくり返せるんか？｣
｢うぐっ…｣
そういう男なのだと知ってはいるが、それでは済まされない。
この部屋に持ち込まれる書類は、本当に重要な書類だけだ。
事実に相違がない、または他国の情勢、その他諸々、国家機密の情報があるのだ。
それを昼寝していて、敵に情報を取られたなんて馬鹿な事してはならない。
ましてや、この男は特に狙われるのだから、もう少し危機感を持って欲しいのだ。
｢…アンタ、この国の総統って自覚ホンマにあるんか？｣
｢人間の三大欲求には逆らえん！｣
｢そんなに粛清を受けたいんか、今すぐにでもトントン呼んできてもええんやぞ｣
｢すみませんでした｣
トントンは強し。
やっぱ書記長の怒りは怖い、はっきりわかんだね。
｢でも俺の仕事を手伝うのが補佐官の仕事じゃないのか？｣
｢私もアンタ専用の補佐官やったら手伝っとるんやけどな｣
｢…今からでも変えるか…｣
…こいつならホンマにやりそうやな…。
命令で喰らったら逆らえへんし、今のうちに断り入れとこ。
｢悪いなグルッペン、総統兼幹部補佐官の役職がええねん｣
｢…そうか、残念だ｣
｢てことで、トントンのとこ行ってきますわ｣
｢待て！｣
サボり魔には粛清剣がお似合いや。
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櫻夢(プロフ) - 紫さん» 勿体なきお言葉…！有難うございます！拙い文ですがこれからも精進させて頂きます！ (2020年4月29日 0時) (
レス) id: c6ce1548f4 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 続きも頑張ってください(*＞∇＜)ﾉこの小説大好きです!!! (2020年4月28日 11時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻夢 | 作成日時：2020年1月12日 12時
