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社長室の扉に、三回ノックする。
｢閨島です｣
｢どっ…どうぞ…！｣
｢失礼します｣
…何キョドってんねん…。
｢…ご用件はなんでしょうか｣
私の目の前には、私と同い年か、下手すれば年下に見えるほどの若い男が座っている。
彼こそがこの会社の最高権力者、椎野海斗。
一年ほど前に就任したばかりの新米指導者だ。
私は五年ほど前に、元社長の秘書が定年退職するということで代わりに秘書となった。
しかし一年前、元社長が病に臥し、一命は取り留めたが仕事を続けるのは難しいだろうということで、彼の息子だったこの人に権限が渡ったのだ。
｢あのぅ…書類の判子押しを手伝ってほしいんです…｣
彼の机を見ると、山積みになった書類がいくつも置かれていた。
その上、彼の目の下には深い隈が刻まれており、二日くらい徹夜したと見受けられる。
｢…どうしてこんなんなるまで呼ばなかったんですか｣
よくある事なのだ。
デスクワークが多いこの会社は、重要書類も多い。
それ故に社長が目を通しておかなければいけない書類が多いのだ。
｢えっと…その…閨島さんに迷惑掛けたくなくて…｣
加えて、この人は周りに迷惑をかけるのに抵抗がある人なのだ。
抱えきれない仕事を、無理してまでこなそうとする。
｢…あのですね、いつも言っている筈です。
これは私の仕事の一つなんです、貴方だけの仕事ではないんです。
このままぶっ倒れられても困るので、仮眠室で寝てきてください｣
｢え…でも…｣
｢早く寝てください、倒れられたらそれこそ仕事が増えます｣
それは効率的じゃないのでね。
目の前の男は、渋々と立ち上がり、仮眠室へと向かっていった。
｢…さて…やるか…｣
んー…ギリ残業やなこりゃ。
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櫻夢(プロフ) - 紫さん» 勿体なきお言葉…！有難うございます！拙い文ですがこれからも精進させて頂きます！ (2020年4月29日 0時) (
レス) id: c6ce1548f4 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 続きも頑張ってください(*＞∇＜)ﾉこの小説大好きです!!! (2020年4月28日 11時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻夢 | 作成日時：2020年1月12日 12時
