離々たる夜花編:拾弐噺_卅肆話目 ページ41
「北東デアル娘ガ消エタノヨ!」
竈門さんとは違う任務。
「…分かった、それは何時の話?」
「一昨日ィ!一昨日ノ夜!跡形モナク消息ヲ絶ッタァ!」
一昨日の夜、跡形も無く消息を絶った…。
きっと部屋で寝ていた所を襲われたのかな。
でも早い。
連続して失踪したのなら分かる。
けれど一昨日の事で、まだ一人しか犠牲者が出てない。
…鬼殺隊を知っていたのかも。
「…日が傾く前に行きましょう」
***
…藤の家紋…。
確か、昔鬼狩りに助けられた一族…だった筈。
鬼殺隊であれば無償で尽くしてくれる。
此処が、任務の場所?
「おっ…鬼狩り様でいりゃっ…いらっしゃいますねっ!ここここちらへどうぞ!」
「は…はい…」
目の前には、私より二つか三つほど歳上の女性。
「あの、任務でこちらに来たのですがお話を聞かせてもらっても?」
「はいっ!!?」
…挙動不審過ぎないかな。
元々こういう性格…なのかも。
「ふぅ…はい、私は咲倉と申します。この宿の…何だろう、支配人…?」
うん、こういう性格の人なんだ。
「…一昨日の夜、宿に泊まりに来ていた姪が行方知れずになりました」
「誰か他に宿泊客は居ませんでしたか?」
「居ませんでした、鬼狩り様も…私と姪以外は」
つまり宿には二人しか居なかった。
寝ていた部屋は別だろうから…。
「気付いたのは朝でしょうか、それとも物音などで気付いて?」
「朝です…中々起きてこないので部屋に行ったら居なくて…」
…嘘は言ってない。
「…分かりました、その居なくなった場所に行かせてください」
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作者名:櫻夢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Ymamihaa131/
作成日時:2019年9月8日 4時