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暇潰し編:参噺_廿話目 ページ25

灯りをぼんやりと見つめる。
まだ背中が痛いな…。


「…炭治郎」

「はい!」


鱗滝さんが話し掛けてきた。


「樹と戦って、どうだった」


樹と戦って…。


「凄かった、です」


凄い、本当にその一言しか出なかった。
本当に目が見えていないのか疑う程、樹は正確に技を放つ。
刀の太刀筋も、変な癖は無いし、樹自身一瞬の隙も無い。
寧ろ俺の隙を突いて攻撃してくる。

きっと頭の回転が早いんだ。
臨機応変に、その場その場にあった最善の行動を起こしている。
樹はこれを経験の差だと言っていたが、樹は何年修行したんだろう。
類稀なる才能と、血を吐く程の努力をしてきて、漸く辿り着く場所なんだ。


「…そうか」


短く返事を返される。
鱗滝さんもこの解答は予想していたんだろうな。


「俺、樹に早く追い付きたいです」


鳩尾を突かれた時、速すぎて目視できなかった。
気が付くと衝撃と痛みが襲ってきて、地面に投げ出されていた。
特別突き技が得意という訳ではない筈なのに、俺が出す雫波紋突きよりも速い。
他の技も、この技の完成度と同じくらいなんだ。
今の俺がどう足掻いたって樹には勝てない。

何時か樹に勝てるようにならないと。
もう俺は何も失いたくない。


「樹は、強い子だ。そして同時に脆くもある」


脆い…。


「あの子は、二度と大切なものを失いたくないが為に大切なものを作らなかった。
だが、今あの子には天花寺綾芽という少女が居る。
彼女を失えば、屍になる。」


屍…樹が何故そこまで綾芽に執着するのか。
きっとそれは____


「炭治郎」

「はい」


きっとそれは、お互いの利害が一致した上での友情だったからだ。


「お前が支えてやれ、あの子達の心を」









 









「…はい!」

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作者名:櫻夢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Ymamihaa131/  
作成日時:2019年9月8日 4時

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