146日目 手足 ページ21
・レイside
どういうことだ!?
こいつらグル?全部バレてた?“ノーマンの計画”?
今 何が起こっている?
「おまたせ、みんな!」
「エマ!!」
『どう?驚いたでしょ?』
隣の彼女にその質問の応えが返ってくることはない。
「みんなちゃんと発信器壊した?」
「「うん!」」
元気よく声を出したアリシアに、少しの恐怖を感じつつも負けじと返事をするロッシー。
「エマ、耳の手当てを」
「ありがとう、後でお願い。でも今は急ごう」
心配そうに声を掛けたアンナに、さらりと断るがお礼を忘れず、どんな時でも自分を優先しないのはエマらしい。
「さぁ逃げるよ!塀まで走ろう!」
「………ドン…どういうことだ?」
走りながら、右隣にいたドンに尋ねる。
「こいつら全員知ってんのか!?ハウスの正体も…逃げることも」
「おう」
「! なんで…」
「話したんだよ、エマが」
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「ドンとギルダ以外にも話そう、ノーマン」
エマはずっと考えていた。
「ドンとギルダ(あの2人)のおかげでわかったの。ドンもギルダも……多分みんなも、私達が思っているほど子供じゃない。
現実にあの化物から逃げる上でも、危険を知って自分の意志で脱獄に加わってもらった方がいいと思う。
それにママは年長者(私達)以外警戒していない。
このママの隙は突けると思う」
そして、最初に4人。
使えるチャンスは全て使う。
「ほら、何でも聞いて」
「本当に何でも?」
「ええ、農園のことでも本部のことでも」
「「大人が子供(僕)達を殺す気持ち」でも?」
「ええ、あなた達が知りたいことなら何でも」
その会話を扉越しに聞いていたのはドン、ギルダ、記録係のAだけではない。
アンナ、ナット、トーマ、ラニオン。
_____
__________
あの時を利用して……?
「そんな前から……」
じゃあ…
__「何かするのは全部任せた」
__「私に目を向けさせれば、私以外から目を逸らすことができるから」
この2か月のエマの本当の手足って__
Aでもドンでもギルダでもない。あの4人。
「残りの弟妹(奴ら)は2か月かけて少しずつ引き入れた」
そう説明したドンの顔は誇らしげだった。
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作者名:水月 | 作成日時:2019年7月13日 23時