【約束のネバーランド】紺の少女と鬼ごっこ

40日目 足跡 ページ48

・Noside


高い木に登って様子を見るエマ。

スタッと鮮やかに着地を決めると


「こっち！」


下で待機していた5人を引き連れて、逃げる。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿


『鬼ごっこ？』

「そう、鬼ごっこ。

ノーマンが「鬼」で、みんなが逃げるの。頭と体を使って」

「遊びのフリをした“訓練”ってことか……」


ノーマンのそれは、的を射ていた。


確かに遊びのフリならママにバレることもない。


「それをすれば、鬼(奴ら)から逃げられるってわけじゃないけど、脱獄にせよその後にせよ、逃走の基礎力は上げられると思う。


体の使い方は私が教える…

頭の使い方は…ノーマンとレイが先生で、私達が生徒。

Aは鬼ごっこに参加せず」

「「「『データ収集』」」」


見事に4人の声が重なる。


『だよね、知ってた。

先生方は安心して生徒を育ててくださいな』


安心して…つまり、起こったこと全てなんか記憶する必要はない。


私がやる。

だから、全力で能力の底上げに努めて。と。


「おう」

「役割分担はこれで問題ないだろう」

「あとは私達がどこまで伸ばせるかだね！」

＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


テンポ良く岩の上を進んできたのは、玉ねぎ頭のラニオン。


「おっと！」


着地したときにできた足跡を眺め


「ノーマンはこういうのを見てるんだっけ…」


この前レイが教えてくれたことを思い返す。


「………」


ここから先は、二股に分かれている。


「じゃあ こっち消して、逆側の道に跡つけとこう」


足跡に関しては、レイが教えたばかりだ。

これではどちらの道に逃げたのか答えているも同然。

数分後、それを見つけて微笑むノーマンをAが目撃する。






・






・






ぴんと人差し指を立てて止まっているドン。


(ええと…風下…？こっちか！)


その頃ノーマンは、周りの音に意識を向けるが


「………」


何も聞こえない。

どうやらこちらは上手くいき、鬼を撒いたようだ。


ただ「逃げていただけ」の鬼ごっこ。

それが今はどうだろう。


「頭を使った」鬼ごっこに化けていた。


・

41日目 楽しそうね→←39日目 鬼ごっこ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す